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聖杯戦争用 【パーソナルデータ】 真名:原田左之助 クラス:ランサー 【特記事項】 特になし 【属性】 混沌・中立・人 【戦闘コマンド】 近接攻撃:射程1 【ステータス】 耐久力:50 魔力量:90 筋力:B+ 耐久:A 敏捷:B 魔力:D+ 幸運:C+ 【クラススキル】 全クラス共通:サーヴァント以外から受けるダメージ-10 《対魔力:E》 魔術攻撃によって受けるダメージを-1。 10%の確率で受けるデバフ効果を半減。 《早駆け:C》 イニシアチブ+3、攻撃対象とのイニシアチブ差が2倍以上ついていればもう一度だけその対象に攻撃可能。 【サーヴァントスキル】 《戦闘続行:A》 タイミング:耐久力が0になった時 リキャスト:無し。1セッションに1回のみ 耐久力が0になった時、1度だけ耐久力を10まで回復させ蘇生する。 《獰猛:B》 タイミング:メインフェイズ リキャスト:5 魔力15消費、自身の筋力+2段階(5R)、与えるダメージ+1d10(5R)。 《誠の羽織:B》 タイミング:セットアップフェイズ リキャスト:6 魔力20消費、受けるダメージ-3(3R)、与えるダメージ+1d8(3R)。 【宝具】 《一文字印の不死馬賊》 ランク:- 分類:対人宝具 射程:なし タイミング:常時発動 受ける物理ダメージ-5、与えるダメージ+1d6 また耐久力が25以下の時、敏捷+2段階、イニシアチブ+3 《種田宝蔵院流槍術》 ランク:B 分類:対人宝具 射程:1 タイミング:アタックフェイズ 対象1体に与えるダメージを+2d6+4して攻撃を行うことができる。 また、この攻撃を射撃攻撃扱いで攻撃を行うことも出来る。 その後、この戦闘中自身が与えるダメージを+2d6する。
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冬木教会。 その名の通り、冬木の郊外、新都の丘の上に広い敷地を持つ大規模な教会である。 極東の地方都市に過ぎない冬木市にここまで本格的な教会が存在するのは、外来人居留者の多い環境に由来する。 歴史も比較的古く、前身となる教会は戦前に建てられたという記録が残っている。 ……無論、"聖杯"戦争の地に建つ教会が、ただの教会である筈がない。 この冬木教会は、かの宗教の一側面である『聖堂教会』と呼ばれる組織が冬木の地に建てた拠点である。 実際のところ、かつて冬木に降臨した聖杯自体は、神の子の杯そのものではないとの確証は取れている。 だが、聖杯戦争の熾す火を民衆の前に晒すわけにはいかないという目的の前に、魔術師との密約の下この教会は『聖杯戦争の監視役・監督者』の住処として作られた。 今回の電子の海での聖杯戦争においても、非戦闘ゾーンとしてこの建物は再現され、内部には管理者が存在する。 これ自体は、マスターたちには最初から公表されている事実である。 ところでこの建物。 現実の冬木市では、管理者の名前を取って『言峰教会』とも呼ばれていたのだが―― ◆ セレスティア・ルーデンベルクとの一線を終え、フロントに戻ってチェックインし、部屋を取った後。 ホテルの一室で一息を吐いたジョセフ・ジョースターは、途中の売店で購入した品を確認していた。 まずは冬木の市街地図。 隅から隅まで読み込み、ジョセフの頭脳へと叩きこんでおく。 都市部での戦いである以上、これから戦う土地の地図は非常に重要なものだ。 実際DIO打倒の旅においても、DIOの送り込んで来たスタンド使いの刺客、"女帝《エンプレス》"との戦いにおいては地図が重要な役目を担った。 更に言えば、ジョセフのサーヴァントである天龍の本質は軽巡洋艦だ。 水場を戦場に選びたいこと……そして後々河川や海を見に行きたいことを考えると、やはり地図の確認は急務と言ってもよかった。 「とはいえ、ウ~~~ム……やっぱ海の面積なんて限られとるの」 冬木市は海に面する都市である。 それは吉事ではあるが、やはり一都市における海が面する割合など限られている。 常に海辺で行動することなど難しい以上、全ての戦いで海を戦場に選ぶのは無理だと考えていい。 幸い、冬木は南北を河によって横切られ、東西に区切られている。 この河を戦場に選ぶのも考えれば、選択肢は広がってくる。 「……つーかよぉ。オレが海で戦うのはいいけど、ジイさんは大丈夫なのかよ?」 「うん? どういうコトじゃ?」 「オレが海に陣取っても、ジイさんはそうはいかないだろ。 孤立したところを襲われてたら仕方ない」 「ああ、なるほど。 心配せんでいい。波紋を用いて水面の上を歩くのは、波紋の修業では初歩に教わることじゃ。 流石に若い頃みたいにはいかんが、逃げるくらいならなんとでもなるわい」 「そいつはスゲぇな。も一つ見直したぜ、ジイさん」 地図の確認を終えると、ジョセフは次に新聞を取り出す。 買ったのは地方紙の朝刊。 この都市で何らかの変事が起こっていないかの確認のためだった。 が、しかし、新聞に載っている限りの記事では、そういった明らかに異常な事件はほぼ確認できない。 あるいは事故記事の幾つかは聖杯戦争絡みのものなのかもしれないが、それを確認する手段などなかった。 (聖杯戦争が始まらんうちは、派手な事件はない……ってとこかの) ただし、事件などよりも、余程ジョセフの意識を引いたことが、一つある。 それはそもそも記事などではなく。 『新聞の発行された日付』。 「……2015年、か」 2015年の冬。 それが新聞の示す、『今日』である。 最初は新聞の誤字をジョセフは疑った。 だが携帯端末やTVニュースを確認し、そして先程のセレスとのやり取りを思い返すことで、ジョセフはある確信へと至る。 (妙なところはあった。あの嬢ちゃんがわしとのギャンブルで使おうとした『ユーロ』という通貨。 そしてギャンブルの後に聞いてきた質問……どれもわしの知らん話だった。最初は単にわしが日本に疎いだけかと思っとったが……。 『未来』じゃ……あれは『未来について知っているか』の質問ッ!) エジプトで戦った、DIOの操るスタンドの能力をジョセフは思い返す。 『時を止める能力』。 時を操るスタンドがあるのだから、時を未来に進めたり、あるいは過去にする能力があってもおかしくはない。 (……つまりわしは、タイムトラベルしちまったってワケか? いや違う、ムーンセルとやらについての説明を信じるならここは『未来を再現した世界』……、 あの嬢ちゃんはわしにとって未来にあたる世界からやってきたマスターってコトかッ!?) 完全に違う文明に放り込まれたわけではないのだから普段に問題はないだろうが、しかし『自分の知らないことがあるかもしれない』というのは、情報戦ではやはり不利となる。 ジョセフの世界は1989年。26年分の誤差は、そう意識してしまうと小さくない。 (現に電話やテレビは結構進歩しとるみたいじゃしの……今じゃ音楽聴くのもウォークマン要らずってワケかい。 この携帯端末とやらも、今の時代じゃ普通に使われとるみたいじゃしな) 慣れない手つきで、ムーンセルに渡された携帯端末を操作するジョセフ。 インターネットやメールなどの機能を完全に把握したわけではないが、『情報のネットワークがかなり発達している』ということはそれでもわかる。 流石にこれ一つでなんでも把握できるわけではないだろうとは考えたが、それでも慣れないジョセフと慣れているセレスでは情報の入りは違ってくるということは自明の理だ。 (とはいえ……無理して差を埋めようとしても仕方あるまい。 やはりわしのやり方でやるしかないか) 聖杯戦争を積極的に戦うつもりはジョセフにはないが、しかしそれは聖杯戦争に対して無策でいることを意味しない。 戦わなければならなくなった時、無策のままであることは愚者の行い。 なにより、戦いに際しては策を以て望む、それが『ジョセフ・ジョースター』の流儀だった。 「……聖杯戦争の情報も集めておきたいな。 あとで情報屋と接触しよう」 「情報屋? いるのかよそんなモン」 「あのお嬢ちゃんがギャンブルで稼いだ、と考えるならば、それは違法な賭博場でと考えるのが自然じゃ。 この国じゃカジノは違法のようだし、そもそも彼女は成年しとるかも怪しいからな。 となると、この市には違法ギャンブル場を生かすだけの裏社会の基盤があることになる。 情報屋の類がいてもおかしくはない」 「成る程。スジは通ってる」 「ま、それはあくまでも後でじゃな。まずは出発しよう」 納得した様子のアーチャーを尻目にしながら、ジョセフは再び外出の準備を整えた。 出先で買った荷物は置いていく。これは再びこの部屋に戻って来ることになった場合のものだ。 「ああ。水場の確認と準備か、資材の確保か、だっけ?」 「いや……その前にひとつ確認しておきたいことができてな。 まずは教会に行くとしよう、車を借りんとな」 「教会? 戦いの前にお祈りでもするのか?」 「教会には管理役が常駐している、って話だったろう? 少し話を聞いてみたくなったんじゃよ」 ◆ 太陽が中天を僅かに離れた頃、ジョセフ・ジョースターとそのサーヴァント・アーチャーの姿は冬木教会へと続く坂道にあった。 所持品の準備を整えた後に昼食や車の調達に時間を取り、出発したのは12時を過ぎた頃。 一度目の通達を受けた後だった。 そして今、教会へ向けて車を運転するジョセフが考えているのも、その放送の事である。 たった三行の連絡事項。 誰でも感じることであろうが、通達された情報が少な過ぎる。 参加しているマスターとサーヴァントの数の情報だけでもそうだ。 陣営ごとのサーヴァントのクラスすら明らかになっていない。何なら陣営を限定して味方陣営のサーヴァントだけでも教えるという手段もあっただろうに。 "連絡路"についてもそうだ。 本当に団体戦をやらせたいのなら、このようなまだるっこしいやり方より、一度陣営のマスターを一同に集めるか、あるいはマスターの情報を渡すなりしてもいいはずだ。 まるで……そう、まるで意図的に情報を絞っているかのようだった。 もしも本当にこれが意図的だとしたら、狙いはなにか。それを次にジョセフは思考する。 団体戦を円滑に進めるならば味方陣営の情報は絞らずに積極的に公開するべき……ならば逆に、団体戦を円滑に進めさせたくない、という可能性。 そして団体戦が上手くいかない場合、どうなるか。 (同士討ち……そして残った主従は消耗するじゃろうな) 本当にそれが狙いならば、何故ムーンセルはマスター達を消耗させようとするのか。 いや、そもそも。これはムーンセルが課したルールなのかさえも、ジョセフは疑った。 この月の聖杯戦争は、ムーンセルが地上の参加者を観測するための実験だという。 そこに黒幕がいるという可能性もないとはいえない。 (もっとも、事態がそこまで深刻に絡んでいるなら安全に抜けるのなんて不可能じゃろうし、 できれば遠慮したいがね……) 【……おい、ジイさん】 実体化したまま後部座席に座っていたアーチャーが、不意に運転中のジョセフに念話を飛ばした。 それに反応し、ジョセフはすぐに路肩に車を停めた。 アーチャーを実体化させたままにしているのは、何も不注意からではない。 その索敵範囲を買ってのことである。 元よりアーチャーのサーヴァントには、クラスの特徴として、スキルとして備わっていなくともある程度の千里眼があることが多い。 ましてや天龍は元は軽巡洋艦の逸話から形造られたモノ。 電探こそ装備していないが、その索敵範囲はけして狭くはない。 そのアーチャーがジョセフに声をかけた、――それも他人に聞かれることのない念話で――、というのはつまり、何らかの異常が発生したということだ、とジョセフはすぐに察した。 【……新手のサーヴァントかの?】 【みたいだな。この道の先にいる。 ……動かねえな。こっちには気付かれてるかもしれない】 【ふむ……】 念話の相槌を返しながら、ジョセフは対応を思考する。 この道路は教会へと続く一本道だ。迂回することはできない。 となると待ち伏せだろうか、とまずは考えたが、わざわざ教会という管理役の目の前で待ち伏せなどしたいだろうか、と言われると難しい。 仮令待ち伏せが目的だとしても、いきなりの遠距離攻撃や攻撃的な接近を受けていない以上、手当たり見境なく襲いかかる輩ではないだろうと推測する。 あるいは希望的な観測をすれば、ジョセフと同じように教会の管理役に話を聞きたいマスターという可能性もある。 最悪敵対的な接触を受けたとしても、相手の向こうを突破すれば教会だ。 非戦闘区域まで辿り着ければ、追撃を受ける可能性はなくなる。 賭けではあるが、有利な賭けであるようにジョセフには思われた。 【接触してみるか。警戒を頼む】 そうアーチャーに指示して、ジョセフは車を再発進させた。 少し進んだ先、地平線の向こうに、おそらくはアーチャーが感知したのだろうサーヴァントの姿が見える。 紅い外套を纏い、弓を構えた浅黒い肌の男。 陣営は黒。クラスは改めて確認するまでもないだろう。 (天龍もアーチャー、セレスと名乗ったお嬢ちゃんのサーヴァントもアーチャー。 そしてここでもアーチャーか。アーチャーに縁でもあるのかね、わしは) 「止まりたまえ。止まらないならば、敵対の意思有りと見て攻撃に移らせてもらう」 赤衣のアーチャーが、ジョセフ達の乗る車両へと警告を飛ばす。 ジョセフは素直に車を停めて、アーチャーと共に外へ出た。 交渉しようというのならば車からは外に出るのが礼儀だろうし、サーヴァント相手に乗用車が役に立つとも思えない。 「まずは敵対陣営でありながら、問答無用にその矢を撃って来なかったことに礼を言おう。 そして。出会い頭に攻撃してこないなら、交渉の余地があるということでよろしいのかね?」 そう問いかけながら、ジョセフは赤衣のアーチャーを観察する。 サーヴァントに年齢など関係なかろうが(実際、ジョセフのサーヴァントである天龍は彼女の話が本当ならばジョセフよりも年上だ)、年は思ったよりも若い。 肌色から中東人かとも思ったが、遠くから顔立ちを見る限りではむしろ東洋人、孫である空条承太郎や旅の仲間だった花京院典明に近い。 もしも本当に東洋出身の英霊ならば、日本の文化に疎いジョセフの知識では正体を推測するのは難しい。 「そちらの目的次第だな。こちらの方向に何の用事だ?」 「何の用事と言われても、教会に行きたいだけなんじゃがね。そっちの方向にはそれくらいしかないじゃろう?」 弓を構えたまま問う赤衣のアーチャーに、ジョセフは平静を保ったまま答える。 「問い直そう。何が目的だ? 今この段階で教会に行ったとして、聖杯戦争の役には立たないと思うが」 「その聖杯戦争から抜けたいんじゃよ。わしゃ聖杯には興味もないのに巻き込まれてな。他にも色々と聞きたいこともある」 更なる問いに、これもまた冷静にジョセフは回答。 「――巻き込まれた? ……いや、月の石のみが基準ならば確かにその可能性はあるか。 だが、私の知る限りでは月の聖杯戦争に中途で離脱する方法はないぞ。敗者はムーンセルに消去されるルールだ。 この聖杯大戦ではサーヴァントが敗北しても残留を許されるようだが、やはり自らの陣営が敗北すれば帰還は不可能だろう」 その答えに赤衣のアーチャーは一瞬思考し、しかし現実的な答えを返した。 「悪いが、そう言われてハイそうですかと言えるほど素直じゃあないんでの。 勿論降りかかる火の粉は払わせてもらうし、脱出の手だてが勝利以外にないならば戦うがね」 「最終的に敵となるならば、ここでその芽を潰しておくのもいい手だろう?」 「本気でそう思っとるなら、待ち伏せしておいてこちらに話しかける理由はないのう。 その弓で車ごと狙撃すればいい。陣営を確認する手間をかけたにしろ、敵陣営とはっきりしたなら言葉を交わす必要はない。 ここまで悠長に話をしているのは、最初から交渉をするつもりだからではないかね?」 確認を兼ねた質問に、赤衣のアーチャーの否定は無い。 それを確認してから、ジョセフは続けた。 「そしてわしも、そちらと話をしたいと思っておる。どうやら君……あるいは君のマスターは、聖杯戦争に詳しいようじゃからな」 赤衣のアーチャーが、動きを止める。 ジョセフはその表情から思考を読み取ろうと試みたが、失敗した。 (カマかけてはみたが反応がわからんのォ~~……失敗じゃったか?) 『目の前のサーヴァントは、ムーンセルから与えられたもの以外の聖杯戦争に関する知識を持っている』。 無論、ジョセフも何の根拠もなくカマかけなどしたわけではない。 それなりの理由があっての行為だが、賭けには違いない。 外していればマヌケにしか見えないだろうし、そうでなくとも悪印象を与えかねない行為だ。 だが、それを押してでも、聖杯戦争に関する知識を持った主従と接触できる機会は貴重だとジョセフは判断した。 それ故に、ここまで話を早く進めたのだが―― 「……いいだろう」 その結果は、不意に沈黙を破った、――あるいは、沈黙している間マスターとの念話を行っていたのか――、赤衣のアーチャーからの返答となって表れた。 「ついてくるといい」 赤衣のアーチャーが弓を降ろし、ジョセフと天龍に背を向ける。 それを許可と取ったジョセフは、離れていく赤衣のアーチャーを追う。 「またオレの出番はなしかよ」 愚痴っぽく独り言してから、天龍もそれに倣った。 ◆ 赤衣のアーチャーのマスター――ロード・エルメロイII世は、自らのサーヴァントが連れてきた主従を観察した。 マスターは白人の男性。既に老人と言っていい域の年齢に入っていることは外見から窺えるが、体格のよさ、そして立ち振る舞いの隙のなさからして只人でないことは一目でわかる。 時代錯誤なアクション映画じみた服装も、この男が着ているならばむしろ当然。現代に生きるインディ・ジョーンズにすら見えてくる。 おそらくは魔術師ではない。が、油断ならない相手だ、とエルメロイII世は判断する。 サーヴァントである"白"陣営のアーチャーは、ある意味それとは真逆。 少女の姿にハイスクールの制服のような衣装は年相応のそれにしか見えないし、装備しているヘッドパーツや帯刀も、コスチューム・プレイの一種と言われたら納得してしまう可能性もある。 さらに目視で確認できる限りでは、ステータス・パラメータも低い。エルメロイII世のサーヴァントである赤衣のアーチャーもパラメータのスペックだけを見るならば低い方に位置するが、それよりも尚低い。 冬木における第四次聖杯戦争にも参加したことのあるエルメロイII世ではあるが、それでも彼女より低いパラメータのサーヴァントは見たことがない。 だがやはり、サーヴァントとはパラメータひとつで判断していい相手ではない。 「こうして話す機会をくれてありがたい。わしの名はジョセフ・ジョースター」 「私は……、ロード・エルメロイII世、と。今はそのように呼ばれている」 「II世? 貴族には見えんが……ああいや、失礼」 「構わない。過ぎた名だとは、自分でも思っている」 帽子を脱ぎ礼の姿勢を取るジョセフに、エルメロイII世もまた同じく礼を取る。 「ここまで足労させてすまないが、まずはこちらから質問させていただく。 何故我々が聖杯戦争に対する知識を持っている、と判断したのか。お聞かせ願いたい」 「フム」 機先を制する形で発された、エルメロイII世の質問。 それに、ジョセフは軽く考える姿勢を取り、答える。 「まず第一に、教会前で待ちの姿勢を見せていたこと。 わかっておると思うが、教会の付近は待ち伏せに適してはおらんな。もしも教会側に逃げられれば非戦闘エリアで取り逃がす可能性もあるし、戦闘の余波が教会の敷地にまで及べばルーラーに目をつけられかねん。 確実に仕留めたいならば――そうじゃな。ビルの上にでも陣取って、橋を渡ろうとするサーヴァントを狙い撃つくらいした方が効率はいいじゃろう」 「アーチャーを擁するならば効率が悪い、と」 「そう。そこでもしかするとわしらと同じ目的かもしれん、と考えた。 二つ目は、その赤衣のアーチャーの口ぶりじゃ。先程の会話で、そのアーチャーは『"月の"聖杯戦争』、そして『"この"聖杯大戦』と言った。 まるで"この""月の"聖杯戦争以外の聖杯戦争を知っているかのような口ぶりじゃった」 赤衣のアーチャーが肩を竦める。 「失言だったか」 「ともあれ……あと幾つかの態度も小さな根拠ではあったが、それで、『何らかの事情がある』『聖杯戦争について、この月で得られる以外の情報を持っている』 と推測した。わしたちにそれを聞かせてもらいたい。交換条件は……『君達の陣営に属するマスターとサーヴァントひと組の情報』でどうかね」 ジョセフ老人が切り出したその条件に、エルメロイII世は目を細める。 味方陣営の主従の情報。それは確かに魅力的な条件だ。 この聖杯大戦、陣営戦とは言っているが、味方陣営に関して与えられる情報は少なくなっている。 それがII世がこの聖杯大戦に不信を抱く理由のひとつでもあるのだが、今はそれは重要ではない。 昼の通達の後に連絡路も確認してはみたが、今のところ他マスターと接触できそうな情報は皆無だった。 同じ陣営と接触できる機会がある、となれば、興味はある。 「そちらにとっては敵陣営の情報を持っていると?」 「昼前に接触した相手じゃ。情報収集を優先していたらしく、一時的に交渉相手として認めてくれた。 同盟とまではいかんがな。……これ以上はそちらが取引に応じるならば話そう」 「ふむ」 虚偽ではあるまい、とII世は判断する。 ここまで来て虚偽を話して情報を引き出そうとするほど、目の前の老人は短絡的ではないだろう、と。 ならば、交渉に応じても問題は無い。 聖杯戦争から脱出することが目的ならば、こちらの目的にも協力してくれる可能性はある。 「了解した。こちらの知っていることを話そう。 ……まずお聞きしたいが、魔術について知っていることは?」 「ない」 先ずの質問に、ジョセフ老人は断言しての否定を返した。 これはII世にも予想できた答えではある。 「だろうな。私は魔術師だ。そして、聖杯戦争とは本来魔術師の参加する魔術儀式である、とまず承知いただきたい」 「……オイオイ。わしゃあ魔法使いの知り合いなんかおらんぞ。せいぜい占い師の知己が……いた、くらいじゃが」 「あなたが魔術師ではないだろう、というのはわかっている」 II世のこの言葉は嘘ではない。 目の前の老人には、魔術の気配を感じない。 場慣れした雰囲気から、何らかの戦闘者、あるいは異能者である可能性はあるが。間違いなく魔術師ではない。 「場合によっては"素養がある"というだけでもマスターとして選ばれることはあるが……。この聖杯大戦のような事例は、私も聞いたことがない。 その他にも、この聖杯大戦には私の知る聖杯戦争との差異が多々ある。この聖杯戦争は、魔術師から見れば明らかに異常な要素が多すぎる。私の目的はその調査となる」 「……なるほど。で、わしらが脱出する手立てはあるのか? まずはそこを聞きたい」 「本来聖杯戦争に、マスターの命を奪う必要はない。戦争である以上、殺し合いは常ではあったが」 そう。聖杯戦争にマスターの命は必要ない。 第四次聖杯戦争は、マスターの内4人が死亡する(そして、最終的には一人しか残らなかった)殺し合いではあったが、勝者以外は死ぬということはない。 もしもそうであれば、II世はこの場には生きていない。 「この聖杯大戦がマスターの死を確定させているのは、ムーンセルから出ることができるのは勝者のみだからだ。 故に、この聖杯戦争から脱出するならば、まずムーンセルから脱出する手段が必要となる」 「フム。その方法は?」 「……調査中だ」 「……Oh,my god.」 「元々ムーンセル自体、謎の多い構築物だ。このような聖杯戦争を開く理由自体、はっきりしていない」 「つまりは何にもわからんってコトか? ……よくそれでここまで来たもんじゃな」 悪態を吐くジョセフに、II世も同じく溜息を吐きそうになる。 元より、II世がここに来てしまったのも事故のようなものだ。事前の調査が足りないと責められれば、それを否定することはできない。 話題を転換する必要があった。 「……。ところで、黒陣営のマスターの情報だが」 「名前はセレスティア・ルーデンベルク……と名乗っとったが、ありゃ偽名じゃな。多分日本人じゃ。 ゴスじゃったか? コッテコテな服装したお嬢さんじゃよ。サーヴァントはアーチャー。 おそらく、聖杯を手に入れるのを目的にしている主従じゃろう」 「ふむ……」 顎に手を当てる姿勢を取りながら、II世は情報を吟味する。 もしも現実の冬木と同じく、黒の陣営の聖杯も"この世全ての悪"に汚染されていたならば、黒の陣営に聖杯大戦を勝利させるわけにはいかない。 ゆえにII世は、『真面目に聖杯戦争を戦うつもりの』『同じ陣営の』主従と組むことはできない、という普通のマスターならば有り得ない十字架を抱えている。 ジョセフ老人が情報を持っているマスターとも、本来の目的まで交えての協力関係は望めない。 それを考えると、目の前の老人と陣営を越えた協力関係を築くことは有益だとII世は判断した。 「脱出の手がかりはなくとも、調査の手がかりくらいはあるんじゃろう? わしらはそれに同道か、協力させてほしい。 その途中で脱出の手段がわかれば万々歳じゃからな」 「……こちらからも頼みたい。こちらにも事情がある、おいそれと協力を頼めることではない。 敵対陣営であっても、こちらの事情をある程度汲んでくれる同盟相手は歓迎しよう」 「ありがたい」 無論、陣営を越えた同盟関係にはリスクもある。 裏切り者と見なされれば、敵陣営のみならず味方陣営からも追われる身となるだろう。 だがやはり、ここで機会を逃すというのは、II世も、そしてジョセフにも考えられないことではあったのだった。 「このまま教会へ?」 「そうしよう。元々私達もその予定だった。そちらもそうだろう?」 ◆ 「こんにちは。監督役の"間桐サクラ"です」 「同じく。監督役の……"エンリコ・プッチ"、だ」 冬木、聖堂教会。ステンドグラスから差し込む光が、ある程度の広さを持つ教会堂と、その中に並べられた席を照らす。 祭壇前に運び込まれた椅子に座った"二人の監督役"は、昼間からの訪問者――エルメロイII世とジョセフ――へと向けて、そう挨拶した。 片方は、黒衣の少女。むらさきの髪を長く伸ばした、整った美貌。 もう片方は、黒人の神父。剃り込みの入った白髪に、落ち着いた風貌。 (教会に神父……ってのはわかるが、隣の女子はなんじゃ? ズイブン刺激的なカッコしとるがのォ~~) いぶかしむジョセフの横。エルメロイII世は、顔を顰め動きを止めている。口を開く様子はない。 黙っていても仕方ない、と溜息し、ジョセフは先に質問することにした。 「わしはジョセフ・ジョースター。今回は聞きたいコトがあってここまで来た。 この聖杯戦争から、戦わずに抜ける方法は?」 「ありません。貴方のサーヴァントも、そう答えたはずですよね? このムーンセルから抜け出す方法は、聖杯戦争に勝利することだけ」 にべもない否定。 もっとも、ジョセフにも予想できたコトではある。 ここで"ハイ、抜けられます"などと言われたら、そちらの方が拍子抜けだし、疑わしい話だ。 「ムーンセルの管理とは、そんなに厳しいモンなのか? 正直適当に呼び付けられたとしか思えない身としては、疑わしい話なんじゃがね」 「ムーンセルは真性管理の怪物。その演算能から逃れ得るモノは、同じくムーンセル由来のモノのみです。 月の石に呼び寄せられてしまったことには、同情しますけど……」 「いや、そもそもわしは、アレが月の石とは……」 そこまで言って、ジョセフは言葉を止めた。 そもそもあの月の石は、どのように入手したものだったか。 苦難の連続であったエジプトへの旅、その最後、DIOの館から押収した……そう。 あのDIOが、月の石を持っていた。 その事実に、今更ながら、ジョセフは符合を感じずにはいられない。 (偶然……いや、DIOが"たまたま"月の石を持っていて、それが"たまたま"聖杯戦争への切符だった? そんな都合の悪い偶然が、たまたまあるものか?) 無論、すでにDIOは消滅した。 そこに何らかの企みがあったとして、ジョセフにそれを知ることはできないし、企みを持つ本人が消滅したのだから意味は無いかもしれない。 しかしそれでも、何らかの不気味さを感じるのは、事実だった。 「……ジョセフさん?」 「あ、ああ失敬。わしの質問は終わり……いや、もうひとつあった」 いきなり言葉を止めたのを首を傾げるサクラに、ジョセフが動揺を取り繕うように次の質問へと移る。 「マスターがいなくなったサーヴァントのコトじゃ。 マスターが先に殺されたり、あるいは――それが可能なら、じゃが――聖杯戦争から離脱したりしたとして……マスターを失ったサーヴァントはどうなる? あるいは、サーヴァントのマスター権の受け渡しなどはできるのか?」 「マスターがいなくなり魔力の供給を受けられなくなったサーヴァントは、魔力を使い果たし次第消滅します。 令呪を持ったマスターならば、マスターなきサーヴァントと契約するコトも可能でしょう。 ただし、聖杯からマスターへと行われるサーヴァントへの魔力供給の補助は一騎まで。魔力の素養がないマスターがサーヴァントを二騎従えるのは危険です。 そして、マスターが他のマスターにサーヴァントの所持権を譲り渡すコトですが、令呪を持ったマスター間ならばこれも可能です」 「わかった。ありがとう」 一見不可解な質問に、首を傾げる素振りでサクラは返答する。 それに礼を言って、ジョセフは隣に譲るように一歩下がった。 「では、私から質問させてもらってもいいだろうか」 入れ替わるように、エルメロイII世が前に出る。 「どうぞ。ですが、あなたが聖杯戦争について質問することは特にないのでは?」 「ああ。私が質問したいことは、聖杯戦争そのものについてではない。 ……この教会の管理者は、言峰綺礼、あるいは言峰璃正ではないのか?」 教会に入った途端にエルメロイII世が顔を顰めた理由。 それは、予想とは違う人物が教会の監督役を務めていたからに他ならない。 ここに来るまでII世は、ムーンセルはおそらく、冬木の聖杯戦争を極力再現して聖杯大戦を行おうとしているのだろう、という仮説を立てていたのだ。 となれば当然、教会で待っているのは第五次冬木聖杯戦争の監督役、言峰綺礼……そうでなくとも、その親である言峰璃正と予想していた。 しかし現実には、教会の監督役は見知らぬ神父と、そして間桐桜――第五次聖杯戦争当時の冬木にいた関係者ではあるが、教会とは何の関係もない――だった。 違和感がある。言葉には上手く出せないが、頭の隅に引っかかるタイプのそれだ。 そしてこういった違和感は往々にして、後々災難として降りかかってくる。 「そうは言われても、私達が監督役なのは事実でね」 椅子に座ったまま、プッチ神父が応じる。 その表情は淡々として、内になにを秘めているかどうか推し量れない。 「私は記録を見ただけだが……元々のこの教会の管理者であったというコトミネキレイは、不正を行っていたそうだ。 その前代も、聖杯戦争の裏で特定の陣営と協力関係にあったと記録にある。 たとえNPCとはいえ、そういった人物を管理者側に置きたくないという推測はできないかな?」 「……ふ、む」 確かに、言峰綺礼は第五次聖杯戦争、その黒幕と言ってもいい人物の一人ではあった。 第四次の監督役であった言峰璃正にしても、遠坂のマスターと裏で支援関係にあったコトは記録からはっきりしている。 ムーンセルの重んじる、公平さ、とは確かに離れた人物ではあろう。 (であるならば、監督役から外されるのは道理には適っているのか……?) 違和感は完全には拭えないが、一応の答えが示され、そしてそれに対する反論は今のII世にはできない。 これ以上の追及は無理か、とエルメロイII世は判断した。 「……了解した。今回はこれだけにしておく。すまない、時間を取らせた。行くとしよう、ジョースター氏」 「ああ」 質問を済ませたならば、ここに用は無い。 ジョセフもエルメロイII世も、教会に長く留まる気分にはなれなかった。 陽が当たっている癖に、ここはやけに昏い。 「……ジョセフ・ジョースターさん」 監督役の二人に背を向け、教会堂の扉に手をかけたジョセフに、黒人の神父――プッチ神父が声をかける。 「あなたは"引力"を信じるか?」 「……は?」 唐突な質問。 呆気に取られたジョセフに、プッチは首を振った。 「いや……無用な質問だった。忘れてくれていい」 ◆ 【……おい、ジイさん】 【なんじゃ】 教会堂を離れ、住宅街の坂道をエルメロイII世に少し遅れて下るジョセフ。 そこに、霊体化して追走する艦のアーチャー、天龍が念話をかけた。 【オレにあんまり気を遣わなくていい。オレはジイさんのサーヴァントで、艦だ。道具なんだからな】 教会にてジョセフが行った、第二の質問。それは、ジョセフが天龍を慮ってのコトに他ならないというのは、当人にもわかった。 脱出を目的とするジョセフがムーンセルからの脱出に成功すれば、サーヴァントである天龍は取り残される。 もしその時に天龍が脱落するしかないならば、天龍の願い――戦うこと――は果たせなくなっていた。 無論、ジョセフの質問によって、そのようなコトが起きないのは確認できたわけだが―― マスターであるジョセフを守るのは己の役目。それをマスターに気を遣われるのは、正直天龍にすればむず痒く、そして不甲斐無い気分だった。 【そうかい。じゃが、なあに。できる範囲でやれるコトをやっとるだけじゃよ。このままだと、最後には覚悟を決めて戦わねばならんようじゃしな】 だというのにはぐらかされる。 実際の年齢で言えばどっこい、あるいは天龍の方が年上だろうに、まるで子供のように扱われている気がしてならない。 【……そうかよ。じゃあ、その時こそ、この天龍サマの出番だな】 ならば。天龍の役目――アーチャーのサーヴァントとしての役割を、十全と果たしてやるしかあるまい。 元より軍艦として、戦うコトこそが彼女の存在意義なのだから。 マスターの配慮には、サーヴァントとしての奮戦で返そう。 「すまない、ミスター・ジョースター」 艦のアーチャーの決意の外、エルメロイII世が、ジョセフへと声をかける。 「この後は一旦別行動を取りたいが、どうだろうか。現状で敵陣営同士で行動しているのを見られても、あまりいいことにはならないと思う」 「フム。確かにそうじゃな……」 敵陣営の者と一緒に行動しているのが知られれば、不審、疑惑の的となりかねない。 連絡先だけを交換し、適宜連絡を取り合う形にした方が、揉め事は少なく済むだろう、というのはジョセフとII世の共通の結論となった。 「では、私はホテルへと向かいセレスティア・ルーデンベルク嬢に接触する。そちらは……」 「ちと事情があってな、実際に目で確かめたいコトがあるのでそちらに向かう。ホテルには後で戻る予定じゃから、直接話したいコトがあればその時にしよう」 「了解した。車には乗せてもらわなくて結構、徒歩で向かおう」 そう言って、II世とその後に続く赤衣のアーチャーは北――ホテルの方向へと歩き去る。 それを見届けてから、ジョセフは海へと向けてハンドルを切った。 [C-10/教会近くの住宅街/一日目 午後] 【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険(第3部)】 [状態]健康 [陣営]白(月) [令呪]残り三画(右手の甲に存在。二つの茨が絡み付く星の形状) [装備]義手 [道具]携帯端末、カメラ、最低限の旅支度(義手の整備用具、キャッシュカードなど他)、トランプ×2、レンタカー [所持金]大富豪級 [思考・状況] 基本行動方針:脱出し、娘の待つ家に帰る。 1.海や河川の下見をしておく。 2.脱出のための情報や仲間を集める。陣営に拘るつもりはない。 3.資材の確保もどこかで行いたい。 4.機会があれば改めてセレスとの情報交換も考える。 5.聖杯についての情報を集めたい。 [備考] ※B-9近くのどこかに空条邸@ジョジョの奇妙な冒険 が再現されています。そこに休暇で来ている設定ですが戻るつもりはありません。 具体的な場所は後続の方にお任せします。またSPW財団は再現されていませんでした。 ※セレス、アーチャー(セッツァー)を確認しました。パラメータと陣営を把握、セレスは偽名で日本人と看破。 ※アーチャー(無銘)のパラメータ、陣営を把握しました。 ※B-9のホテルにチェックインして部屋をとりました。 ※エルメロイII世と連絡先を交換しました。 【アーチャー(天龍)@艦隊これくしょん】 [状態]健康 [陣営]白(月) [装備]刀 [道具]特に無し [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:マスターの指揮の下、存分に闘う。 1.とりあえずジョセフに従う。 [備考] ※帯刀していますがNPCは特にそのことに触れていません。 怖がって聞けないのか、気付いていないのか、仕様なのかは後続の方にお任せします。 [C-10/教会近くの住宅街/一日目 午後] 【ロード・エルメロイII世@Fateシリーズ】 [状態]健康 [陣営]黒 [令呪]残り三画 [装備]魔術礼装の葉巻をいくつか所持 [道具] [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の調査及び、ムーンセルからの脱出。 1.ホテルへ向かい、セレスティア・ルーデンベルクに接触する。 2.聖杯に関連する調査を行う。できれば仲間を増やしたいが、黒の陣営に事情を明かしていいかは思考中。 [備考] ※ジョセフと連絡先を交換しました。 ※アーチャー(天龍)のパラメータ、陣営を把握しました。 ※住居や冬木市における役割については後続にお任せします。 【アーチャー(無銘)@Fate/Extra】 [状態] [陣営]黒 [装備]『無限の剣製』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:現状はマスターに従う。 1.マスターに従い行動する。 2.黒と白のルーラーに対しては……? [備考] 投下順で読む Next.[[]]
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□第二次gamers聖杯戦争 ちらほらと話が上がってきてるネタ消化のために第二回gamers聖杯戦争を開催します。 基本はマスター(新規キャラor既存の明らかに英霊クラスではないキャラ) + サーバント(既存キャラ)の1セットを1PLが担当する形になります。 データが集まってきたらO3テストプレイのモチベのためとか、時間作ってなんかのタイトルで遊んだりとか考えてます。あと、やにきく会の話のタネにも。 ここに集まったデータを使って卓立てる! ってのも超グッドだと思います。ぜひ。 詳細はプチプチ追加していきます。 このページに過去キャンペーンの知名度あるキャラクターを載せてありますので、ガシガシ皆さんで編集していってやってくだせえ。 参考文献→http //wiki.cre.jp/typemoon/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%88 (記述例) 清水君麻呂 クラス セイバー 性別 男性 属性 秩序・善 ■ステータス 筋力 C 耐久 A 敏捷 C 魔力 E 幸運 C 宝具 C ■固有スキル ・練達兵/強靭な肉体A 致命傷を負っても戦闘続行できる能力。ボーキサイトや燃料などで傷を治すことができる。 ■宝具 ・「舞鶴鎮守府海陸戦隊」 種別:対軍宝具 ランク:C レンジ:? 最大補足:200人 ・概念霊装「約束されし勝利の稲妻(エレクトリック・サンダー)」 種別:対人宝具 ランク:B 最大捕捉:1人 ■武装 海軍軍刀 キャンペーン ◇Ragnarok(ARA) レキ・ヒワタリ クラス セイバー / バーサーカー 性別 男性 属性 混沌・善 / 混沌・悪 ■ステータス 筋力 B / S 耐久 A / EX 敏捷 D / E 魔力 D / E 幸運 EX+ / E- 宝具 C / B ■固有スキル ・忘却抵抗EX 記憶の忘却を受けない。 ・流転の刃C セイバー時。幸運C以下の生命存在を相手にする時、対象の幸運をEまで低下させる。 ・天目一個EX バーサーカー時。宝具の干渉の一切を無効化する。 令呪による特定の命令が無効になる。主に、能動的な攻撃を行わせることができない。 ・竜率EX 古代龍以下の竜種を無条件に従える。 ■宝具 ・「Ragnarok」 セイバー時 種別:対人宝具 ランク:C レンジ:1 最大補足:1人 傷を与えた対象の記憶をある程度消滅させる。記憶の消滅の程度はランクによる。 ・「ロイヤルガーデン」バーサーカー時 種別:対軍宝具 レンジ ? 最大捕捉:(国家1つ程度) 自身が治める竜の国、ロイヤルガーデンの扉を開く。 ■武装 「黄昏の刀剣(イクスヴェルン)」セイバー時 「東雲妖刀 血桜」バーサーカー時 「白桜」 カイト・キシシキ カルチェル・クラスロット アル・ミリアフィ ◇秘密教団FORCE(ARA) ヤマ・チャン(PC) ガンダルフ・ロックマウンテン エルク・ニルヴァーナ リン ◇空中庭園テニア(ARA) シェシュリン クラス セイバー 性別 女性 属性 秩序・中立 ■ステータス 筋力 B 耐久 A 敏捷 E 魔力 C 幸運 C 宝具 B ■固有スキル タリスマン EX 守護の意識が昇華した呪い耐性を表すスキル。呪いや洗脳といった類の影響を受けない。 戦闘続行 A 憧憬への執着 C ランクが高ければ記憶に強く残る場所や願いへの執着により生存本能を高めるスキル。C以下はそれらがない。 過去への嫌悪 A++ 過去の自身への嫌悪感を示すスキル。ランクが高いならそれらを指摘されること、想起するものが精神の平静を崩す。 ■宝具 「鎧は胸に、騎士道は我にあり(ハーツオブパラディン)」 大人へと成長する中で利己的な人格が剥がれ英霊としての格を得たことの証。 数々の経験から生み出された、彼女の心象を映し出すある種の固有結界である。 聖騎士とは守るものであり、それ以上を求めない。あらゆる魔術的、間接的攻撃の軌道を捻じ曲げる宝具。 ■武装 パラディンソード 愛流 エルリック・シャイニングロード レオン(NPC) ◇一周年記念セッション(ARA) ◇Ragnarok/Evil(ARA) レキ・ヒワタリ(天目一個ver) カルチェル・クラスロット(竜騎士ver) ◇LoveSickness(ARA) ギコウ スルト レント・セプター ◇秋葉原都市伝説(NW2) 三国翔 黒木流 リヴレス・セレスティオ ノラ レーヴェ 裁定者・ウィザードクラス ◇追送サンクチュアリィ(NW2) 篠原真琴 黒木流 クラス:キャスター 性別:男性 属性:混沌・悪 ■ステータス 筋力:D- 耐久:D+++ 敏捷:D- 魔力:EX+++ 幸運:D 宝具:EX+ ■クラス別スキル ・対魔力EX 魔術による干渉を受けない。 ■固有スキル ・規格外EX 一流の魔術師マスター程度の魔力量では使役はおろか召喚、現界ができない。 ・冥界? 死者の国の盟約により、一日に千より多くの生物を殺すことができない。 ■宝具 「追想サンクチュアリィ」 種別:結界宝具 ランク:A++ レンジ:1 最大補足:1人 紅い月と追想の森を顕現する。この結界内にいる時、流は絶対に破壊されない7層の防護壁を持つ。 「黒き流星(サンクチュアリィ・オブ・レミニセンス)」 種別:対界宝具 ランク:EX++ レンジ:? 最大補足:1000人 太陽系53億個分のサイズを持つ魔法陣10001個からそのサイズに等しい、星の力を収束した光線を放つ。 詠唱には10001人の流が必要。 ■武装 ヘイオスケイル サブマシンガン 三井あかね クラス アーチャー 性別:女性 属性:中立・中庸 ■ステータス 筋力:C 耐久:D 敏捷:A 魔力:B 幸運;D 宝具:E-~A++ ■クラス別スキル ・対魔力C 詠唱が5節以下の魔術行使を無効化する。この値は、彼女自身と装備する概念武装の合計である。 ・単独行動B マスター不在でも1日程度の現界を維持可能。 ■固有スキル ・魔眼C- 左目に継承した極短期の未来視の魔眼。Aランクの直観に等しい効果をもたらすものの、片目のみのためか発動が安定しない。 ・魔術B 一般的な魔術を扱えることを示すスキル。並みの魔術師に比べはるかに魔力効率がよい。 ・カリスマC++ 人を引き付ける天性の魅力。ただし、彼女の場合なぜか異界の魔王ばかり引き寄せる奇妙な縁がある。 ・複合霊核 EX 自身のサーヴァントとしての霊核が複数人から作られていることを示す特殊スキル。このスキルを持つサーヴァントは基となった霊核すべての技能、スキルをある程度保有できる。 ただし、霊核が多い分記憶が混ざってはっきりしなくなり、精神系スキルの成功率が大きく落ちるほか、魔力の消耗も激しくなる。 彼女の場合、春秋物語に語られる赤と、楚王のはじめとした複数人の霊核が複合しており、カリスマや剣技のほか、軍略、政治、鍛冶の技能も持ち合わせている。 通常時の魔力の消耗を抑えるため普段あえて出力を落としており、全力で戦うときのみ魔眼の効果とともに最大限に効果が発揮される。 ■宝具 「Sanctuary of Reminiscence(追憶の聖域)」 種別:結界宝具 ランク:E-~A++(具現化内容によって変化) レンジ:1 最大補足:1人 自身の深層記憶にある物体を任意に具現化できるようになる固有結界。具現化内容に制限はないが、生物は身体のみにとどまる。 また深層記憶に由来するため、表層の記憶とは若干のズレがある場合もある他、結界の容積(自分の体積)以上に大きいものも具現化できない。 世界を浸食する固有結界故に展開後世界の修正力が働くが、彼女は結界の範囲を自身の体のみ絞ることで大幅にその修正を和らげている。上記スペックにおける最大補足は自身のこと。 以下,詠唱 I am the bone of my Memory.(―――体は記憶で出来ている) Spilit is my body, and Soul is my blood.(血潮は魄で、心は魂) I have created over a thousand Stories.(幾たびの物語を越えて不敗) Unknown to Death. Nor known to Life.(ただの一度も敗走はなく ただの一度も理解されない) Have withstood pain to create many memories.(彼の者は常に独り追想の森で勝利に酔う) Yet, those hands will never hold anything.(故に、その生涯に意味はなく) So as I pray, SANCTUARY OF REMINISCENCE.(その体は、きっと記憶で出来ていた ) ファントム 黒木流歌(NPC/転生ver) ラテストリア(NPC) ◇暇人セッション 竹井佳織 クラス:セイバー/バーサーカー/ライダー 性別:女性 属性:混沌・悪 ■ステータス 筋力:B+ 耐久:B+ 敏捷:B 魔力:D++ 幸運:C 宝具:B ■クラス別スキル ・対魔力C 初級発動魔法程度の魔術干渉を無効化する ・騎乗B+/C/EX 乗り物に対する高い適性を持つ。 ■固有スキル 魔女王A ウィザードとの戦闘時ステータスが大幅に上昇(1~2ランク程度) ■宝具 「魔装"ケイオスサーキット"」 種別:対人宝具 ランク:D 交戦中の相手の敏捷をワンランク低下させる。 「魔剣・クラシオンブレード」(セイバー,バーサーカー時) 種別:対人宝具 ランク C 魔王に対して高い殺傷力を持つ魔剣。 「ダークヴァルキュリアス "熱病" "疫病"」(ライダー時) 種別:対人宝具 ランク B 耐久B以下のサーバントは罹病したら一日と経たずに死亡する致死毒を持つ魔剣。 藤堂塔夜 クラス ブレイバー 性別:男性 属性:秩序・善 ■ステータス 筋力:A++ 耐久:C++ 敏捷:B++ 魔力:E++ 幸運:A++ 宝具:EX ■クラス別スキル ・天運A 世界の加護を受けた勇者の証。不利な状況を打破しやすくなる。 ■固有スキル ・心眼(偽)B ・助言C 対象の行動を成功させやすくする。 ■宝具 「魔装"ケイオスサーキット"」 種別:対人宝具 ランク:D 交戦中の相手の敏捷をワンランク低下させる。 「隕鉄煌めく拡散の剣(メテオライトソード)」 種別:対軍宝具 ランク:B+ レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 元は少し丈夫な普通の剣だったものが長年共に過ごした塔夜の存在力を練りこまれ宝具と化したモノ。光の波動を放つ。 「隕鉄煌めく極光の剣(メテオライトソード)」 種別:対人宝具 ランク:A レンジ:1 最大捕捉:1人 元は少し丈夫な普通の剣だったものが長年共に過ごした塔夜の存在力を練りこまれ宝具と化したモノ。光の波動を収束し斬りこむ。 「人類最後の──」 種別:対人宝具 ランク:EX レンジ:- 最大捕捉:1人 命尽きるまで──命尽きても戦い続けることを世界に義務付けられたことによる祝福。 倒れても倒れても立ち上がるその姿はまさに勇者である。 神奈真 伊藤園三百 パピヨン ◇暇人セッションⅡ 塩見学人 神奈真 クレス 黒桐玖 リモーネ ◇-永炎戦記- ▼第1部-永炎戦記- 永劫のセツナ(ARA2E) 間雪奈 クラス セイバー/ライダー/キャスター 性別 女性 属性 秩序・中立 ■ステータス 筋力 B 耐久 A 敏捷 E 魔力 B 幸運 C 宝具 EX ■固有スキル 夢使いの貌 ? 自身の姿を様々に作り替えるスキル。現在確認されているのは騎士、機械人形、魔女。 また名も3つ持ち、すべての真名を知られない限り能力は落ちない。 オーラ A 同じオーラを持つサーヴァントに対して有効な攻撃を行えることを表すスキル。 攻勢への躊躇 C キャスターとして召喚されなかった場合A+。ランクが高いほど能動的な攻撃を躊躇う。 揺るがぬ心 EX 精神攻撃に対する耐性を表すスキル。A+以上でネガティブな幻惑を無効化する。 ■宝具 「永久に灯せ我が希望の炎(エンドオブエタニティ)」 「刹那」ではない輝く炎を纏う剣を呼び出し薙ぎ払う。 剣閃から放たれる炎の真価は攻撃ではなく迫る脅威を焼き滅ぼすことにある。 ■武装 「刹那」複雑な形状の護拳を持つ長剣 「永劫」広げた翼のような形状の盾 「沈黙の兜」髪留め 黒木ナガレ クラス セイバー/アーチャー/アサシン 性別:男性 属性:混沌・中庸 ■ステータス 筋力:A 耐久:B 敏捷:A+ 魔力:E 幸運:B 宝具:A++ ■固有スキル ・黒木流刹断術A 黒木の家に伝わる武術。ありとあらゆる武具を使いこなすための技術であり、それを使うための肉体を作るためのスキル。 A以上であればどのような武具でも達人のように使いこなせる ・奈落もたらす天理の業(アビス)A 自身に有利な状況を作り出すスキル 心眼(真)A ■宝具 ・「未来」 種別:対界宝具 ランク:A++ レンジ:- 最大捕捉:- そこにはないがそこに在るもの。世界に干渉し現象を生み出すことができる。 本来の担い手ではないため、真の力は出せず限られた力しか発揮することができない。 ・「白木の鞘/黒木の鞘」 種別:対人宝具 ランク:C レンジ:- 最大捕捉:1人 持ち主の身体能力を向上させる宝具 ■武装 無銘の刀×5 バーストルビー 兜森公一 高橋 バルゴ ツェペルミ・リアブリーズ(NPC) ライミラク(NPC) 黒木流歌(NPC) 間瞬(無人PC) ▼第2部-永炎戦記- 永劫のセツナOrigin(O3) 一ノ宮朋久 クラス リライター(これが駄目ならキャスターで。アサシンの適正もあり) 性別 男性 属性 混沌・善 ■ステータス 筋力 B 耐久 A 敏捷 B 魔力 EX 幸運 E- 宝具 EX+ ■クラススキル なし ■固有スキル ・修正者 ? 史実の改変者であることを表すスキル。運命を書き換える者の証。幸運判定の結果にある程度干渉できるため,朋久本人の幸運の低さを補っている。 ・創造改変 EX 自らの肉体や周囲の物体を書き換えることが出来る。魔力消費は大きくなるが,敵の武器や技を模倣することも可能。 ・神殺し:C++ 神性を持つ敵に対して優位に立つことが出来る。 ・対魔力 A Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 ・戦闘続行 A+ 致命傷を負っても戦闘続行できる能力。致命傷を受けても,朋久の場合,霊核破壊寸前に踏みとどまることが可能。 ■宝具 ・「未来=永劫斬(フラットジャッジ)」 種別:対運命宝具 ランク:A++ レンジ:1~10 最大補足:1人 黒き時の流れより出でし先駆者から受け継いだ秘剣。硝子状の無形剣「原初」に紫光を纏わせ,時空をも含む遍く全てを断ち切る一閃を行う。 ・「10002番目の世界(ジ・オリジン)」 種別:対運命宝具 ランク:E-~A++(構築する世界によって変化) レンジ:? 最大補足:? 運命を否定し,新たに世界を構築する。世界からの修正力を無視して一から世界を構築するため,マスターと自身に大きな負担がかかる。 ■武装 ・「原初」定まった形のない硝子状の剣 ・OOO(トリプルオー)戦闘服 ■解説 書換の魔王。"Write braver"とも。魂の階梯を登り詰め,神と同等の位階へと至った永劫の先駆者。とある世界の守護者を己が願望の為に切り伏せたという。彼が宿す紫光は「死者を選別する独善の刃」と呼ばれる。 一条瑞季 安藤映次 長瀬理奈 藤宮輝 間雪奈 クラス セイバー/ライダー/キャスター 性別 女性 属性 秩序・中立 ■ステータス 筋力 B 耐久 A 敏捷 E 魔力 B 幸運 C 宝具 EX ■固有スキル 夢使いの貌 ? 自身の姿を様々に作り替えるスキル。現在確認されているのは騎士、機械人形、魔女。 また名も3つ持ち、すべての真名を知られない限り能力は落ちない。 オーラ A 同じオーラを持つサーヴァントに対して有効な攻撃を行えることを表すスキル。 攻勢への躊躇 C キャスターとして召喚されなかった場合A+。ランクが高いほど能動的な攻撃を躊躇う。 揺るがぬ心 EX 精神攻撃に対する耐性を表すスキル。A+以上でネガティブな幻惑を無効化する。 ■宝具 「永久に灯せ我が希望の炎(エンドオブエタニティ)」 「刹那」ではない輝く炎を纏う剣を呼び出し薙ぎ払う。 剣閃から放たれる炎の真価は攻撃ではなく迫る脅威を焼き滅ぼすことにある。 ■武装 「刹那」複雑な形状の護拳を持つ長剣 「永劫」広げた翼のような形状の盾 「沈黙の兜」髪留め ◇Angelic Roop(AG2E) 雫 フロワ アムリエート 利根川信也(シンヤ) 達也・アーレント ユータ ラキル クラン ◇Chros Over Horizon(MG) 輪島進(ヴァヴズアイン操縦者) ラキル クラン 利根川信也(シンヤ) 達也・アーレント フィン(NPC) 間雪奈 クラス セイバー/ライダー/キャスター 性別 女性 属性 秩序・善 ■ステータス 筋力 E 耐久 C 敏捷 C 魔力 EX 幸運 A+ 宝具 A++ ■固有スキル 天使 ? 『天使』であることを表すスキル。物理干渉を無効化する。 ケルン A+ 天使に付加されるスキル。 金の天使核 EX 無限機関とも呼べる霊素を生み続ける核。 人の身 EX 天使のランクをDまで制限する。 ■宝具 「天焦がす凛々の明星(ルキフェルハイロゥ)」 周囲の魔力、霊素を爆発的に増やし、自身を『完全天使化』させる。 「天使の王(バニッシュメント・カオス)」 セイバーとして召喚されたときのみ使用できる宝具。天使たちの剣を呼び出す。 ■武装 「小銃」陸軍支給品の自動小銃。 ◇仮想空間の断罪者(O3) 野村正行 高岡葵 城崎広樹 荒木旋 平野 ∀ マイク ◇零 鬼灯の夢幻(CoC) 竜ヶ崎啓一 加藤芳香 勇・シュトックハウゼン 丘留止 赤門魅華 サイランド・メイガス 因幡五丈 バン・バババン・馬場 嘉月朋梨 ◇異聞戦記 アヴィム=イグジール(MG) 闇乃様 不動善邦 ◇gamers鎮守府 塵神 華神 百火繚乱 山露 信濃 八千代 裕也 瑞星 浦和 ネブガドネザル 喪財苦 ◇アリアンロッドPE クロード アポリア・ツヴァイ アッバーラ・ドムドム チェルニィ・一魄・エクシタルテ クライス・フリューゲン ツクリヤマ ◇キャンペーン名不詳のキャラ ☆仮面ライダー雅セッション(NW2) 仮面ライダー雅 単発(プレイタイトル毎) ☆アリアンロッド アリアンロッド2E ◇忘年会セッション2009 カズヤ・アイゼン 龍玄 エルリック・フレイムロード ◇-永炎戦記- 悠久のギャラハッド 間瞬(ギャラハッド)
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「私は聖杯戦争の監視役であり、神父であり、君達を保護する者だ。人としての感情はあるが、今はNPCと考えておいてくれればいい」 路定 想武郎 第三次聖杯戦争の監視役にして、聖堂教会の神父。 ショートの黒髪、胸から下げるは十字架のペンダント。悠然とした立ち振る舞いは自信にあふれていて、見る物を安心させる。謂わば典型的な神父。 その信仰心に偽りはなく、素性があまり見えない所から信用できるかは別として、神父としては利用できるだろう。 前述通り、利用できるNPCと考えてくれとの事。ただ、私情を一切持ち込まないという訳ではなく、そう割り切ってくれと言う意味だろう。裏を返せば面倒な事を持ち込んでも解答できるかは別だ、という意味でもあるが。 話を尋ねれば教えてくれるし、保護を頼めば返事ひとつで承諾してくれるだろう。悩み事も、まあ神父だから聞いてくれるだろうし。 一応、戦闘もできるようだ。やはり黒鍵を使って戦う様子。
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君は 刻の涙を見る 配点(人の心の光) ―――――――――― 本日の最後の授業は、特に問題もなく終わった。 最初は武蔵アリアダスト教導院とは勝手の違う授業に戸惑いもしたが、思いの他すんなりと慣れる事ができた。 それは正純本人の適応力もあるかもしれないが、それよりも『日常』の中で覚醒を待っていたあの予選期間、その記憶によるものが大きい。 ……もしかするとあの予選期間は、この聖杯戦争における日常生活に慣れさせるためにもあるのか? 自分のようにこの世界の常識からは遠く離れた世界に住む人間を呼び出しても、どうしても齟齬が生じる。 同じ時代の人間であったとしても、住む地域の違いなどでやはり生活の違いは現れるだろう。 そこで記憶を奪い、この世界の人間としての生活を経験させることで異世界の常識を頭の中に刷り込む。 推理としては筋は通っている、と考える。 そしてこの推理が当たっている場合、 ……やはり聖杯は、この方舟の中での『再現』に重きを置いている可能性が高いと思う。 このような手順を踏んでまで、冬木市を戦争の場に選んだ。 それを更に一歩進めれば、 ……聖杯がもし『この土地』での聖杯戦争に価値を見出しているのなら、その理由があるのは冬木市自体に関連するものじゃないのか? 無論、推論に推論を組み合わせた拙い論理だ。明後日の方向を向いている可能性がないとは言えない。 だが、それでもこの聖杯戦争を理解する助けとはなるだろうか。 ……ともあれ、今は目の前にある事から片付けないとな。 終礼の終わった教室を出て、幾らか足早に歩いていく。 玄関口へと向かう廊下の途中。そこでまた、柳洞の姿を見かけた。 「柳洞、すまないが今日はこのまま帰らせてもらうぞ」 「ああ、先刻言ったアズナブル候補の後援会の会合だろう? 岸波の件もよろしく頼んだぞ」 軽く挨拶を交わし、柳洞と別れる。短い会話の内にそれでも脳裏に浮かぶのは、 ……岸波白野の件となにか隠している様子の遠坂凛、どちらを優先すべきか。 普通に考えれば、事前に約束をしている岸波白野の方に行くべきだろう。 ただ正純としては、予選において知り合いだった遠坂凛に対しても幾らかの情は存在する。 ……しかしまあ、情にかまけて決め事を流してはいかんな。 政治家として、一度口にした事を「記憶にございません」とやるのは最後の手段だと父が言っていた。 それに、こちらに仕事を任せてきた柳洞の信頼を無碍にするのも気が咎める。 遠坂凛について調べるのは、会談の後でもいい筈だ。 ……流石に、私一人で【B-4】に行くのは無謀だろうしな。 先程も確認した通り、遠坂凛の家は【B-4】にある。 おそらくそこでは今も何らかの形でサーヴァントの陰謀が進行中の筈であり、そこに正純一人で向かうのは非常に危険な行いだろう。 それこそライダーとの相談ではなく、協力が必要だ。 ならば岸波白野だが、こちらにも問題がある。 ……バス代、やっぱり必要だよなあ。 岸波白野はバス通学のようだ。 それなりに近場である冬木ハイアットホテルならばともかく、河を越えた新都まで行くとなると徒歩ではアズナブル候補との会合までには間に合わないだろう。 バスを使えば岸波白野の家を訪問し爆発事故の現場について見て行くくらいなら十分間に合うだろうが、 ……いや、バスにも乗れないほど困窮してるってわけじゃないけどな!? 別にそういうわけではない。 そういうわけではないが、しかしバス代を払えば明日以降の食生活に不安を残すのは間違いない。 ……父にその辺ねだるのは心苦しいんだがなあ。 とはいえ、何らかの臨時収入が欲しいのも確かだ。 これからも聖杯戦争を戦わねばならない以上、現金が必要な事案が来ないとも考えられない。 ……あー、虚空から金塊でも湧いて来ないかなあ。 沈鬱な気分でバスに乗り込み、他の座席からの死角となる位置で表示枠を開く。 ●副会長:『私だ。今学園を出た』 ●戦争狂:『そうか。こちらも先程彼等と話を済ませて来たところだ。結論から言おう、彼等は乗って来たよ、君との交渉にな』 ●副会長:『そうか。……一応聞くが、相手の機嫌を損ねたりはしなかっただろうな』 ●戦争狂:『なに、実に楽しい、そして有益な会話だった』 ……それ、相手の反応については一言も書いてないよな。 大丈夫なんだろうな、と正純が懸念した次、表示枠に少佐の新たな言葉が浮かんだ。 ●戦争狂:『そして、これでお膳立ては整った。後はそう、君の、そう君の出番だ武蔵副会長』 ●副会長:『……ああ』 その言葉の意味はわかる。 少佐はアズナブル候補との交渉をセッティングした。正純の方針を達成するため、自らの役目を果たした。 ならば後は正純の役目、という事だ。 ……私達にとっての聖杯戦争の行方は、私に任せられたという事か。 それは信頼なのか、あるいは見定めなのか。 どちらであっても、 ……重いな。 しかしどちらであっても、それに応えなくてはならない。そう思う。 ……っ、と。 不意に正純は、こちらも少佐に報告しておくべき話題があるのを思い出した。 ●副会長:『それと、一つ用事ができた。冬木ハイアットホテルに行く前に、寄らせてもらいたい場所がある』 ●戦争狂:『ほう? 何処だね』 ●副会長:『学園で、今日登校してきていない生徒の一人の様子を見て来るように頼まれた。例のアズナブル候補が絡んだ爆発事件が起きた場所の近くだし、そちらが問題無いならば後援会の会合の前に寄って行きたいんだが』 ●戦争狂:『……ふむ』 ●副会長:『幾らか軽率だったかもしれないが、少しでも情報が手に入るならそれに越した事はない。ただでさえ私達は戦力が不安だからな』 ●戦争狂:『ああ、いや、いや。別に責めるつもりは無いとも、武蔵副会長。君の言う事はもっともだ』 ●副会長:『そう言ってくれると助かる。後援会までには戻る予定だからそこまで入念に調べるつもりもないが、なるべく気をつけておく』 ●戦争狂:『では待っているよ、武蔵副会長』 ●副会長:『……あ、いや、ちょっと待ってくれ』 ●戦争狂:『む?』 もう一つ、聞いておくべき事を思い出した。少佐が解決策を持っているとも思えないが、ないよりはマシだろう。 ●副会長:『私の現状とはそこまで関係の無い事なんだが、なにかお金になりそうな物に心当たりはないだろうか』 ●戦争狂:『そこまで貧困極まっていたのかね君は』 ……バレるよなー、そりゃ。 ●副会長:『……申し訳無い話だが、かなり』 ●戦争狂:『だろうな。余程切羽詰っていなければ、君はそのような要求などするまい』 ●副会長:『……ああ。サーヴァントである少佐に金の話をしても仕方ないとは分かっているが……』 ●戦争狂:『いや、問題無い。そちらから言ってくれれば、必要な分だけ援助しようじゃないか』 ●副会長:『……む? ありがたい話なんだが、しかし何処からそんな金が出てくるんだ?』 ●戦争狂:『うむ。私の固有結界に手を突っ込んでだね、そこから金塊を取り出してきたのだよ』 ……本当に虚空から金塊が湧いて出るのかよ! 憤りのようなものを感じないではないが、しかし助かるのは事実だ。 そこに突っ込むのはよしておこう、と結論する。 ●戦争狂:『しかし、だ。アルバイトまでしているというのに、何故そこまで困窮しているのかね?』 ●副会長:『え? ああ。アルバイト代とかほとんど本に回してるからなー……』 ●戦争狂:『………………』 ……あれ? 通神が切れてしまった。 なにかマズかっただろうか、と思案する正純を乗せながら、バスは橋を渡っていく。 ◆ 本多・正純。 それがあのライダーのマスターの名前らしい、とシャア・アズナブルは知った。 あのライダーの伝えてきたところによると、ライダーのマスターと自分の会談は『この冬木にいる政治家の子息であるライダーのマスターが、親の伝手を使って現職政治家であるシャアに挨拶をする』という形で行うそうだと聞いていた。 ならば近々その親からの接触があるだろうと思っていたが、果たして会合の準備中シャアに声をかけてきた男がいた。 本多・正信。確かにその名前はシャアの記憶の中にもある。冬木市議会の議員の一人で、小西という商売人とよく一緒にいる男だ。それは癒着ではないのかと思う事がなくはないが、厳格な男と通っているようだしそういう事はないのだろう。 その男が、シャアに自らの娘が会ってみたいと言っている、と言ってきた。 タイミングからして、これがライダーのマスターの事に違いないだろう。 ――要件を伝え終わった後邪気の混じった視線で睨んできたり、去りながら小西とリアル幼な妻がどうとか声を潜めて喋っていたのは何だったのだろうか。 それは置いておくにしても、 (……意外だな。あのような男が認めたマスターが、20にも満たない少女だとは) 無論、年齢のみで判断するのは危険だと解ってもいる。 シャアも、そしてそのライバルと呼べる男も初陣は20になる前だった。 そして、あのライダーは年齢で己の判断を誤る男ではあるまい。 (油断はできんな。あるいは魔物かもしれん) 「……マスター?」 「む」 内心の緊張を気取らせてしまったか、傍に控えたアーチャーが心配するように声をかけてくる。 (……情けない男だな、私は) 思えば、アーチャーには負担をかけてばかりいる。 それを詫びても、彼女には「大丈夫」と返されてしまうだろう。 だからシャアは、努めて普段通りを装いながら返答する。 「なに。それより、君にもここで仕事をしてもらわなければならない。できるか?」 「ええ、大丈夫よ。マスターこそ主賓さんなんだから頑張ってね?」 「はは、手厳しいな。やってみるさ」 そう、まだ見ぬライダーのマスターより先に、シャアにはせねばならない事がある。 会合の準備へと、再びシャアの意識は埋没していった。 ● 冬木ハイアットホテル、後援会の会合の会場へ続く通路を急ぎ足で歩きながら、正純は幾らかの後悔と収穫を同時に噛み締めていた。 ……いかんいかん、聞き込みに夢中になってたら少し遅れてしまった。 結論から言うと、岸波白野に会う事は叶わなかった。 部屋には鍵がかかっており、呼び鈴を鳴らしても反応がなかったのだ。居留守を使っている事も考えたが、外から調べられる範囲では中に人がいる様子もなかった。 よほどの事がない限り、家の中にはいない、と考えた方がいいだろう。 そこで周囲の住民に岸波白野を見なかったか聞き込みをしたところ、 ……早朝に綺麗な女性と出ていくのを見ていた住民がいた、と。 そして、 ……その女性は巨大な角と尻尾を持っていた、か。 十中八九、その女性はサーヴァントだろう。岸波白野は、聖杯戦争に関わった事柄で家を出たと見て間違いない。 岸波白野がそのサーヴァントのマスターなのか、それともサーヴァントに魅了の魔術をかけられて連れ出されたのかは定かではないが―― ……後者ならまだ生きている可能性は低いだろうな。 政治に太いパイプを持ち、前総理の遺児という立場を持つシャア候補の場合は魅了して傀儡に使う、という推理も立てられたが、ただの学生という身分である岸波白野を魅了したところで得られる利益は少ないだろう。 学生という身分を利用して学園を探らせるというのも考えられなくはないが、岸波白野が今日学校に来ていない以上その可能性も低い。 ならば考えられる利用法は一つだ。 魂喰い。 ヒトの魂を喰らい、魔力とする手段。 岸波白野がその標的として選ばれたならば、もはやこの世にはいないだろう。 ……柳洞には言えない話だな。 だが、逆に岸波白野がまだ生きているならば、それは彼がマスターである可能性が非常に高いということだ。 そして、もしその推測が正しければ、サーヴァントを実体化させて連れ歩いているという事実、そして学園を休んでどこかへ出かけているという行動から、彼もまた聖杯戦争に対して積極的である可能性は高い。 ……もし見かける事があったら、接触を視野に入れるのも悪くない、か? 無論聖杯戦争に対して積極的、ひいては好戦的であるならば、接触には細心の注意を払う必要がある。 シャア候補との交渉の結果も考慮に入れて決めていくべきだろう。 それよりも、そのサーヴァントが「角と尻尾」という明らかな異形であったにも関わらず、住民がそれを「派手なアクセサリー」程度にしか受け取っていなかったのが気にかかる。 異族の存在が珍しくない武蔵ならばともかく、冬木市にはそのような住民の姿はない。だというのにそれが大きな異常として受け取られないというのは、NPCが“特異な外見”程度の異常ならば異常として認識しないように操作されているのではないか。 方舟がNPCに対してそのような措置を施す理由は、 ……聖杯戦争を円滑に進めるためか。 サーヴァントのみならず、異形を持ったマスターがこの方舟に呼ばれている可能性はゼロではない。 正純の場合にしても、あの木片を受け取ったのが有翼族のナルゼやナイト、半竜のウルキアガだったならば、彼等がこの聖杯戦争に参加していたかもしれないのだ。 マスターがそのような人物だった場合、いちいち奇異の目で見られていては日常生活を送るのは難しくなってしまう。 日常生活を円滑に送らせるために、NPCが過剰に反応しないようにしているというのは十分考えられる。 ……やはり、聖杯には聖杯戦争を遂行させるための意思がある。 方舟の中での聖杯戦争を成立させるための『解釈』を、ここまで細かく行っているのがその証拠だ。機械的なやり方では、こうも細かくは設定できまい。 問題は。だというのに何故、ルール違反を犯した参加者を直接処罰しないのか、ということだ。 ……あるいは意思があるからこそ、処罰をしないのか? もし意図あっての措置だとして、この実質放置にも近い措置が、何を意図するのか。 情報が少な過ぎる。どうにかしてB-4、あるいはルーラーや管理者に接触できないものだろうか。 「……、っと」 廊下の終わり。後援会の会合の会場へと続く扉の前で、おそらくは正純を待っていたのだろう人が立っていた。 父だ。 本多・正信は、普段通りの厳格な表情のまま正純に問うた。 「予定よりも少し遅いが、どうした」 「すみません。学園での友人が休んでいるらしくて、様子を見に行ったら予想外に時間がかかってしまって」 「……そうか。誤差の範囲内ではあるが、遅れるならば連絡を入れろ」 「……申し訳無い」 「いい。予定よりは遅いが、間に合ってはいるのだからな。行くぞ。シャア候補は既に会場に入っている」 ……ここからが本番か。 知らず緊張していた体を、大きく深呼吸して解していく。 気合を入れ直した正純は、父に促され後援会の会合の会場であるホールへと入室した。 ● 正純が末席に座った後援会の会合は、熱気に満たされていた。 多くの人で賑わったホールの中。主賓の席を用意された男が立ち上がり、聴衆へと演説している。 「本日はお集まり頂き感謝する。議員選を前にし、これだけの人数に集まって頂けたことに感謝する」 シャア候補だ。金髪をオールバックにまとめた、品の良いスーツを着た男は、その熱弁を大いに振るっていた。 「議員選に当たっての私の理想は明らかだ。 私の父の理想、それはまだ果たされていないと愚考する。ならば私の理想も、父のそれに準ずるべきだろう」 「そう、人類の宇宙進出、ひいては地球の保護、そして人類の革新である」 ……調べた通りだな。 正純が事前に調べた前総理の演説においても、同様の思想について語られていた。 将来的に人類は宇宙に上がる事で成長し、そしてこれまで負担をかけてきた地球を浄化する必要があるという、ある種の聖地思想だ。 「父ジオンは、この志半ばで倒れた。ならば私は、その志を継ぎ、理想を実現させなければならない!」 ……大したカリスマだな。 人類の宇宙進出、人の意識の変革による新時代、地球の保護。どれも余人が言えば、この世界ならば夢物語か妄想と断じられておかしくない内容だ。 しかし、シャア候補の演説には、確かにそれを実現できると信じられるカリスマ性がある。 正純とて各国の代表達との幾度もの交渉を経た身だが、シャア候補の器は彼等に優るとも劣らないだろう。 自らの挑む相手を再確認し、知らず生じた震えを、しかし正純は抑え込んだ。 ……いかんいかん、交渉の前から呑まれるところだった。 そしてそれよりも正純が気になったのは、 ……これ、私も知ってる、よな? ◆ 演説を終えたシャアは、後援会の人々と語らう中、一つの思いを確信に至らせていた。 (やはり……人々が危機に対して他人事にすぎる) 昼頃にガルマとの会話で得た直感と同じだ。 この冬木市の異変に対して、人々の危機感覚はシャアからすれば鈍感すぎる。 無論、個々の事件については物騒だと噂しあったり、注意喚起を促したりしているのはわかる。だが、聖杯戦争に対しては無防備極まりない。 (歪んでいる、か) 先程のライダーとの会話、それが脳裏を過ぎる。 単なる能力テストであるならば、NPCの存在は不合理にすぎる。 しかし戦争を模したにしても、この戦争は制約が多すぎる。 (……いや、ここまでだな) すぐ後に、ライダーのマスターとの面会が控えている。 彼女は雑念を抱いたまま相対できる相手ではないだろう。今はそのことに気を向けるべきだ。 「アーチャー、正信氏をお呼びしてくれ」 「いや、その必要はない」 シャアがアーチャーに声をかけてすぐ、人混みの奥から聞こえてくる声がある。 二つに割れた人混みの間を抜けてくるのは、本多・正信だ。その後ろには、ロングヘアの黒髪を後ろに流した少女の姿がある。 正信はシャアの眼前まで辿り着くと、背後の少女を促すように、 「シャア殿。こちらが先程お話した私の娘だ」 「……本多・正純です」 そう言って、本多・正純はシャアへと会釈した。 「ああ、既にお父上に話は聞いている。その若さで、だそうだな。私がシャア・アズナブルだ」 挨拶の言葉を交わしながら、シャアは正純を観察する。 (なるほど。悪くない) 邪気は感じない。年少ながら、気張っている様子もない。 若さはあるが、それも真っ直ぐさであり、即ち原動力として捉えられる。 (あのライダーが認めるならば、この程度は当然か) やはり油断ならない相手か、と確信しながら、シャアは話を続けた。 「部屋は用意してある。会合が終わったら話をしよう」 「光栄です」 ◆ 会合の後、シャアが冬木ハイアットホテルに用意した一室に二人のマスターと二騎のサーヴァントは集まっていた。 「ここでは敬語はいらない。方舟での役職はともかく、我々は聖杯戦争を戦うマスターという点では同等である筈だ」 片方はシャア・アズナブルとアーチャー。 もう片方は、 「配慮頂き感謝する。――では、交渉を始めさせて貰おう」 本多・正純とライダーだ。 「交渉、か。そういうからには、何らかの要求があると見てよろしいのだな?」 「ああ。だが、その前にまず一つ、聞いておきたい事がある。その後に、私達の目的についても話そう。 ……よろしいだろうか」 ソファに腰かけたシャアの前。同じようにソファに座る正純は、シャアを正面から見据えている。 それに応じるように、シャアも正純を見据えた。 「構わない」 「ありがたい。……シャア候補、貴方は『聖杯戦争の存在を知って、この聖杯戦争に参加したマスター』だろうか」 「……ふむ?」 質問の意図が掴めない、とシャアは困惑する。 単純に、この聖杯戦争に対して積極的かどうか、なら話はわかる。 だが、事前に聖杯戦争の存在を知っていたかどうかとはどういう事か。 (……ええい、ままよ) 質問の意図が掴めない以上、言葉を弄する意味もない。真実を語る他ないだろう。 「……いや。私がここに来たのは、半ば事故のようなものだ。聖杯戦争の事は知らなかった」 「成程、そうか。……感謝する」 シャアの返答。それに対する正純の声に、シャアは落胆の色を微かに感じ取る。 (聖杯戦争を知っていたマスターである方が、彼女にとって都合が良かったという事か?) 「失礼した。では、私達の目的について話そう。 ――私達の目的。それは聖杯との交渉だ」 訝るシャアを前に正純の続けた言葉。それは、シャアの困惑を更に深めるものだった。 「……聖杯との交渉?」 「それってどういうこと? 聖杯って……聖杯戦争の、聖杯よね?」 横に控えていたアーチャーが、シャアの疑問を代弁するかのように問うた。 聖杯。この聖杯戦争を勝ち残った者に与えられる、万能の願望機。 それと交渉するとは、一体どういう事なのか。 「簡単な話だ。聖杯には意思がある。聖杯が意思のないただの装置であるならば、このような聖杯戦争は起こらず、もし起こったとしてもこのような形にはならないだろう。 故に、聖杯には、そして聖杯戦争には“解釈”の余地があると私は判断する」 (……なるほど) それは先刻のシャアの疑問。歪んだ形の戦争への一種の答えでもあった。 歪んだ形の戦争。それが行われているならば、それを行わせる意図が存在する。 意図があるならば、それと会話を試みる事は不可能ではあるまい。そして、聖杯戦争を別の形で行わせる事も。 (それが可能ならば、人々は聖杯戦争から解放される。――さながらニュータイプだな) ニュータイプ。お互いに判りあい、理解しあい、戦争や争いから開放される新しい人類の姿。そう父が提唱した、新しき人類。 聖杯との交渉による聖杯戦争の終結、それが成されるならば、それはある種のニュータイプの理想の形と言っても過言ではあるまい。 だが、シャアの世界でのニュータイプが戦争の道具と化してしまったように。 本多・正純の思想は、反面更なる戦いを呼ぶ火種となる。 シャアには同時に、それも理解できた。 「確かに理はある思考だ。しかしそれは余地があるというだけで、相手が交渉の場に着くという保障ではない。 もし聖杯が交渉を蹴ったとしたら?」 半ば答えを予想しながら、シャアは問いかける。 相手がライダーのマスターであるならば。あの戦争の英霊のマスターであるならば、答えはひとつだろう。 「その時は戦争するさ。――聖杯とな」 ◆ 横のアーチャーが息を呑む気配を感じ取りながら、やはりか、とシャアは対面の正純を見据えた。 正対する正純は言葉を続け、 「この戦争は間違っている。私は、この間違った戦争で理不尽に喪われる命を認めない。 彼等に対し、死ねばいい、などとそんな言葉を信じるつもりはない」 だから、と一息吐いて、 「戦争をしよう。彼等が喪う事を望むなら、私は喪わせないために彼等と戦争をする。 聖杯戦争を、正しい戦争として彼等の鼻先に突き付けてやろうじゃないか」 言い切った。 「故に、私が求めるのは私達との同盟だ。聖杯と戦争する為のな」 (……戦争の為に戦争をする、か。……あのライダーが認める訳だな) 本多・正純が言ったのは、つまりそういう事だ。この聖杯戦争という舞台の上で、本物の戦争をする。 彼女にとっての戦争は、交渉と手段として等価だ。無論戦争よりは交渉を優先するだろうが、その交渉が成立しないならば躊躇いなく戦争の引き金を引くだろう。 (悪しき人間ではないが……しかし危険だな) 才覚がある。若さがある。度胸がある。 故に、それを実行し得る。彼女は正道の人間でありながら、同時に戦争を振り撒く人物だ。 しかし―― (正道であるのも事実、か) シャアは隣に座ったアーチャーの様子を伺う。 横目に見た彼女は、迷っているように見えた。 (無理もない) 彼女が戦争を厭うのは知っている。しかし同時に、敵すらも救いたいと願っているのも知っている。 本多・正純の目的は、それを同時に突き付けるものだ。彼女にとっては、二律背反に近いだろう。 故に、シャアが測らなければならない。 「なるほど、そちらの方針は理解した。ならばこちらの方針も明かそう」 本多・正純は、果たしてシャアが人類への希望を見るに値する人物なのか。 「私達の目的。それは、この聖杯戦争を通じて人類の行く末を見極める事だ」 「……人類の行く末?」 聞き返す正純に対して、シャアは言った。 「――幾度の戦争を経ても人類はそれから学ばず、争いと弾圧を繰り返し地球を汚染する。それが私の世界の人類だ。 故に私は、彼等に絶望した」 そうだ。過去シャア・アズナブルは、人類に絶望し、地球に蔓延る人々を抹殺しようとした。 だが、 「今、私は人類の可能性を知りたい」 それも現在の事実だ。今のシャア・アズナブルは、迷っている。 人類は裁かれるべきなのか、そうではないのか。 人の心の光、それが真実なのかどうかを。 「故に本多・正純。幾多の戦争を経た者が、戦争を望む者に問おう」 「戦争の先に、君は新しい時代を作る事ができるか?」 ● ……人類の行く末、か。 正純は、シャア候補の問いに正対した。 相手はライダーと違い、戦争を経た英雄にして、戦争を厭う者だ。 戦争を求めたライダーとは、求める物が違うし、交渉の仕方も違う。 この段に及んでも、ライダーは沈黙を保っている。しかし、視線と熱はある。 私は語るべきは語った、今度は君の番だ、と。 ……そうだな、私は知っている。シャア候補が求める答え、その一つを。 だから、正純はそれをシャア候補に伝えなければならない。 交渉材料として、そして、 「シャア候補」 「私はあなたにとって、未来の世界を知っている」 未来の人間として、だ。 「……なにっ?」 「私は貴方が理想とした時代の、その未来を生きていた人間だ」 ……そうだ。私は彼の思想、それを実現した出来事を知っている。 「私達の世界において、神代の時代と呼ばれる時代の事だ。私達の世界の人間、その祖先は、荒廃した地上を癒すため天上へと上った」 「……それは……!」 「そう」 「貴方の提唱するジオニズムだ。奇しくも私の世界は、貴方の思想を実行していたことになる」 シャア候補が語った宇宙進出及び環境保護の思想。そこに正純は目をつけていた。 父から受け継ぐ思想だというのならば、シャア候補が元いた世界においてもそれが重要なファクターであったろう事は間違いない。 ならば、シャア候補が求める人類の可能性とは。自らの理想、それが再現された世界にならば、興味を示すのではないか。 そう正純は推論していたが、 ……当たりのようだな。 ならば、とばかりに畳み掛けるように言う。 「天上……宇宙において、人々は神となり、他の惑星を開発するなどして繁栄した。しかし神同士の争いにより疲弊し、人々はまた地上に降りたとされている」 「そして我々は今、地球で過去の歴史を再現しながら天上に戻ろうとしている」 そうだ、と一息ついて正純はシャア候補を指差した。 「歴史は繰り返す、そうかもしれない。我々は未だに戦いあう世界から脱せていないのだからな」 だが、 「無意味な戦いは一つとしてなかったはずだ。戦いの果ての積み重ねがあったからこそ、私はこうしてここにいるのだから。故に戦うのも栄華も滅ぶのも、全てひっくるめて次へと進むステップだ」 「シャア候補。戦争の先に新しい時代を作る事ができるか、と言ったな。ならば過去の積み重ねを知る新時代の本多・正純が、新時代を願った過去のシャア・アズナブルに言おう」 「――私がその答えだ」 ◆ 「戦い、栄華、そして滅びまでもが未来へのステップ……か」 正純の答えを聞いたシャアは、我知らずの内にそう呟いた。 気の遠くなるような話だ。正純の世界がシャアの世界とは違う世界の話だとしても、数百、数千年に近いサイクルの果ての話だろう。 (私は急ぎすぎたのか? ……なあ、アムロ) 宿敵の言葉が、脳裏に過ぎる。 わからない。何時しか理想郷が来るとして、シャアの目の前にあるのは絶望した現実だ。 それを待つ事はできなかった。だから裁こうとした。 「マスター……?」 だが、今のシャアには支えてくれる人がいる。 人の心の暖かさを教えようとしてくれるサーヴァントがいる。 「大丈夫だ、アーチャー」 ならば試そう。自らの理想の先から来たと語る者、その心を。 (見せてもらおうか。戦いの中であっても、人の心の光は生まれるのかを) 宇宙から地球へと引きずり下ろされ、戦いの積み重ねを肯定する者。 その者の中に人の心の光を見出せたなら。シャアの世界の地球の人々も、きっと変われるという可能性となる。 「ならばその答え、同じ陣営で観察させてもらう」 それが、シャア・アズナブルが出した答えだった。 ● ……どうにか、なったか。 正純は、内心胸を撫で下ろした。 ……勝手に世界の代表ぶって交渉失敗しましたじゃ、色んな場所に申し訳が立たんからなー。 それでも、どうにか交渉は成立した。その事実に、疲労と達成感を得る。 「ならばまた日独同盟の成立という事だな、お嬢さん」 そんな正純の横。喜色を隠さぬ様子のライダーが、アーチャーに向けてそう言った。 「……っ!」 自らの身を掻き抱くようにするアーチャーの前、ライダーは笑いながら言葉を続ける。 「そう不思議ではあるまい。そちらに私の事がわかるように、私にもそちらの事がわかるというのは何の矛盾でもないだろう?」 「そうではあるがな」 そのライダーを窘めるような響きの声を、シャア候補が挙げた。 そして続けて告げる。 「交渉は終わった。ならば次は、今後の打ち合わせといきたいがどうか」 「……ああ、問題ない。では、この戦争をどう戦うかと行こう」 同じくソファに腰掛け直しながら、正純は返答した。 【C-6/冬木ハイアットホテル/一日目 夕方】 【シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】 [状態]:健康 [令呪]:残り三画 [装備]:無し [道具]:シャア専用オーリスカスタム(防弾加工) [所持金]:父の莫大な遺産あり。 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争によって人類の行方を見極める。 1.本多・正純と今後について話し合う。 2.赤のバーサーカー(デッドプール)を危険視。 3.サーヴァント同士の戦闘での、力不足を痛感。 4.本多・正純と同盟を組み協力し、彼女を見極める。 5.ミカサが気になる。 [備考] ※ミカサをマスターであると認識しました。 ※バーサーカー(デッドプール)、『戦鬼の徒(ヴォアウルフ)』(シュレディンガー准尉)、ライダー(少佐)のパラメーターを確認しました。 ※目立つ存在のため色々噂になっているようです。 ※少佐をナチスの英霊と推測しています。 【アーチャー(雷)@艦隊これくしょん】 [状態]:健康、魔力充実(中) [装備]:12.7cm連装砲 [道具]:無し [思考・状況] 基本行動方針:マスターに全てを捧げる。 1.シャア・アズナブルを守る。 2.バーサーカー(デッドプール)を危険視。 [備考] ※バーサーカー(デッドプール)、『戦鬼の徒(ヴォアウルフ)』(シュレディンガー准尉)、ライダー(少佐)の姿を確認しました。 【本多・正純@境界線上のホライゾン】 [状態]:まだ空腹 [令呪]:残り三画 [装備]:学生服(月見原学園)、ツキノワ [道具]:学生鞄、各種学業用品 [所持金]:さらに極貧 [思考・状況] 基本行動方針:他参加者と交渉することで聖杯戦争を解釈し、聖杯とも交渉し、場合によっては聖杯と戦争し、失われようとする命を救う。 1. シャアとの今後についての打ち合わせを行う。 2. マスターを捜索し、交渉を行う。その為の情報収集も同時に行う。 3. 遠坂凛の事が気になる。 4. 聖杯戦争についての情報を集める。 5. 可能ならば、魔力不足を解決する方法も探したい。 6. シャアと同盟を組み、協力する。 [備考] ※少佐から送られてきた資料データである程度の目立つ事件は把握しています。 ※武蔵住民かつ戦争に関わるものとして、アーチャー(雷)に朧気ながら武蔵(戦艦及び統括する自動人形)に近いものを感じ取っています。 ※アーカードがこの『方舟』内に居る可能性が極めて高いと知りました。 ※孝一を気になるところのある武蔵寄りのノリの人間と捉えましたがマスターとは断定できていません。 ※柳洞一成から岸波白野の住所を聞きました(【B-8】の住宅街)。 ※遠坂凛の電話越しの応答に違和感を覚えました。 ※岸波白野がまだ生きているならば、マスターである可能性が高いと考えています。 ※アーチャー(雷)のパラメータを確認しました。 【ライダー(少佐)@HELLSING】 [状態]魔力消費(大) [装備]拳銃 [道具]不明 [所持金]莫大(ただし、そのほとんどは『最後の大隊(ミレニアム)』の飛行船の中) [思考・状況] 基本行動方針:聖杯と戦争する。 1.シャアとの打ち合わせを行う。 2.通神帯による情報収集も続ける。 3.シャア及び雷と同盟関係を取る。雷に興味。 ※アーカードが『方舟』の中に居る可能性が高いと思っています。 ※正純より『アーカードとの交戦は必ず回避せよ』と命じられています。令呪のような強制性はありませんが、遵守するつもりです。 ※アーチャー(雷)を日本軍関係の英霊と考えています。 BACK NEXT 118 前門の学園、後門のヴォルデモート 投下順 120 勇者よ―― 118 前門の学園、後門のヴォルデモート 時系列順 120 勇者よ―― BACK 登場キャラ NEXT 113 角笛(届かず) 本多・正純 134 Gのレコンギスタ 109 ライク・トイ・ソルジャーズ ライダー(少佐) 134 Gのレコンギスタ シャア・アズナブル&アーチャー(雷) 134 Gのレコンギスタ
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■サーヴァント 使い魔。 行動判定には1D20を使用 戦闘は行動値消費にて行う -ステータス 筋力、耐久、俊敏、魔力、幸運からなるサーヴァントの能力値 ランクによって各ステータスを使用した判定の出目に固定値を付与する 付与値一覧は以下 A +2 B +1 C 0 D -1 E -2 EX +1d3 筋力 主にパワーを使用した行動判定や与ダメ算出の際に使用 耐久 これに依存してHPが決定する 初期HPは以下 A 22 B 20 C 18 D 17 E 16 EX 16+2d4 俊敏 これに依存して初期行動値が決定する 夜間の移動判定、並びに逃走判定にも使用 初期行動値は以下 A 17 B 15 C 13 D 11 E 10 EX 10+2d4 魔力 主に魔力を使用した行動判定と魔力対抗の際に使用 幸運 主に回避行動で使用 スキルと宝具 スキル/宝具に割り振れるコストは一律して10点とする。 合計10点に収まるように宝具/スキルのランクを割り振ること。 宝具ランク コスト 効果例 Aランク 5 1d10+3のダメージ、またはそれに相当する効果 Bランク 4 1d6+3のダメージ、またはそれに相当する効果 Cランク 3 1d4+3ダメージ、またはそれに相当する効果 Dランク以下 1 1d4のダメージ、またはそれに相当する効果 EXランク 4 1d6のダメージ、対象が女性である時に限り+1d10のダメージ スキルランク コスト 効果例 Aランク 3 攻撃判定の出目に+2、またはそれに相当する効果 Bランク 2 攻撃判定の出目に+1、またはそれに相当する効果 Cランク 1 1d6で3以上の目が出たとき、攻撃判定の出目に+1 Dランク以下 0 フレーバー EXランク 3 攻撃判定の出目に+1d3等 ※スキル、宝具に関しては必ずKPと相談の上決定のこと ※特殊な宝具に関しては上記数値に見合う形で決定のこと クラス別ステータス セイバー 基礎ステータス 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運D HP20 行動値15 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+x) 騎乗(戦闘時 移動+x) 自由スキル1 アーチャー 基礎ステータス 筋力C 耐久C 敏捷C 魔力E 幸運E HP18 行動値13 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 単独行動(マスターと別の場所で行動可能) 自由スキル1 【戦闘時 隣のエリアの敵にも攻撃可能】 ランサー 基礎ステータス 筋力B 耐久C 敏捷A 魔力D 幸運E HP18 行動値17 スキル 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 自由スキル2 ライダー 基礎ステータス 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運E HP17 行動値15 スキル 騎乗(戦闘時 移動+1) 対魔力(対魔力判定の出目に+1) 自由スキル1 【宝具を取得する際、必要コスト-1】 キャスター 基礎ステータス 筋力E 耐久E 敏捷C 魔力A 幸運B HP16 行動値13 スキル 道具作成(アイテム作成に判定を要さない) 陣地作成(T1-拠点における魔力行使に出目+2) 自由スキル1 【自らの拠点を陣地として使用】 バーサーカー 基礎ステータス 筋力C 耐久D 敏捷D 魔力E 幸運E HP17 行動値11 スキル 狂化(好きなステのランクを1つ+2、1つ+1) 自由スキル2 【狂化は重ねがけも可。その場合マスターの令呪を1画、開始時に消費する】 アサシン 基礎ステータス 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運B HP15 行動値15 スキル 気配遮断(エンカウントが相手に通達されない) 自由スキル2 【エンカウント処理が起こらない】 ルーラー(KPのみ使用) 基礎ステータス 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運B HP25 行動値15 スキル 真名看破 真名裁決(聖杯戦争に参加する全サーヴァントに使用可能な令呪を各サーヴァントごとに二画保有) 自由スキル1 監督役。 NG行動に触れたものを裁定するのが役目。 英霊によってNG行動は変わる。 願望 最低一つ、サーヴァント自身が抱く強い願望を設定する。 ルーラーを除いて、聖杯戦争に召喚されるすべてのサーヴァントは、叶えるべき願望を持っている。
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427 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/29(日) 03 43 49 「おーいえみやー、私の部屋はどこだ部屋はー」 たっぷり三杯もおかわりした蒔が言った。 「蒔、君はもう少し慎みを覚えた方が良いだろう」 「いーじゃん、どーせ衛宮なんだぞー? あのお人好し超人だぞー」 「あー、桜、これ頼めるかな?」 鍋を掻き回している衛宮氏が間桐嬢を呼んだ。 「なんですか? これ」 「余ったスコッチエッグを醤油と砂糖で煮るんだよ、まっとうな料理じゃないけど、明日には味が染み込んで良い味になってるはずだ」 似た料理なら知っている。 余ったトンカツを同じように調理する物だったな。 確か蒔の大好物で、一切れで一杯いけると言っていたな。 「なるほど、分かりました」 間桐嬢から殺気が消えて笑顔になる、頼まれると信頼されていると感じられる、嬉しいのだろう。 鼻歌交じりに鍋の中の様子を確かめている。 「ああ、藤ねえ、丁度良かった、風呂湧かしておいてくれるか? 俺は布団敷いてくるから」 「ん、分かったー、すぐ?」 「すぐがいいかな? 夕食も食べたことだし、ああ、それとついでに浴衣も人数分用意しておいてくれると助かる」 「分かったー、そんじゃついでに軽くお風呂場を掃除しとくねー」 「ん、頼むー」 「三人とも、部屋はどこが良いとか希望はあるか? 一応洋室も和室もあるぞ、洋間はあと一つしかないけど」 そんな言葉と共に、タオルで手を拭きながら茶の間に姿を見せた。 「んじゃ私は洋間に一人が良い! マンション的に!」 この家は屋敷だが、薪の家は旧家だ、洋室に憧れているのだろうな。 「私は静かな部屋を頼みたい、騒がしくなければどこでも良いぞ、男性と相部屋でもな」 この家に夜這いをするような危険な男性はおるまい、家主殿はいうに及ばず、カール氏も六道氏も紳士であることは疑いないと思える。 「えーっと、私は、どうしようかな」 「あの、良ければ私達と一緒の部屋にしませんか?」 「なのはちゃん? 良いの?」 「はい、出来ればお話とかしたいです!」 「うん、それじゃそうしましょう」 年下に好かれる性格である由紀香はなのは嬢、フェイト嬢と一緒の部屋で寝るようだ。 由紀香のほんわかした雰囲気を褒めるべきかあの剣呑な状況下でそれを見抜いた二人の眼力を評価するべきか迷うところだ。 「ふむ……良い部屋だな」 通された和室は広さや雰囲気など、私の好みの部屋であった。 「まあ、俺の隣の部屋なんだけどな」 良いながら、手慣れた手つきで布団を敷いている。 「ああ、別に構うまい、君は騒いだり突如泊まりに来た隣の部屋の女性に夜這いをするような男では無かろう?」 「んなっ……当たり前だろ」 おお、赤くなる赤くなる。 時折床を共にするような恋人が居るであろうにこの性格は希少なものだな。 「シロウ、私ならいつでも夜這いしてきていいよー?」 いつのまにか背後にイリヤ嬢が立っていた。 そして襖の向こうに赤い服が見えている。 ……遠坂嬢も堂々と出てくれば面白いのだが。 「イ、イリヤ、女の子が冗談でもそう言うことを言う物じゃないぞ」 「え? 私は本気だよー? えいっ!」 そう言って思い切り飛びかかるイリヤ嬢。 「そうだ、シロウ、一緒にお風呂に入ろ! それとも私をたべるー?」 なんというか、猛禽類が補食対象を捕らえるときのような動きだった。 ……これは私が寝る布団なのだがこのまま床を共にする気なのか、イリヤ嬢は。 そして襖の向こうでも音がした。 ははは、イリヤ嬢は本気のようだ、さあ、間桐嬢はキッチンだが再び修羅場を観察しよう。 ネクスト修羅場:「し、士郎ー! なに押し倒されて鼻の下伸ばしてんのー!」遠坂嬢がとうとう踏み込んできた 天国のような地獄:「ううー、ひどいめにあった……」 夜は更けて:時刻は晩から夜へと変わろうとしている
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611 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/15(金) 02 41 15 S市杜王町 教会近郊 「こいつぁーグレートっすねぇ」 制服の高校生が一人ごちる。 道路は抉れ、薬莢が多数落ちている。 血は撒き散らされ、多数の剣が地面、壁に問わず突き刺さっていた。 「とりあえずここでの戦闘は終わったって事でいいんすかね?」 ——そうだな、終わったと見て良いだろう……とりあえず薬莢と剣を一つずつ拾っておけ 独り言に応える声があった。 「どーすんだよそりゃ?」 ——友好的な相手がいれば協力関係になった時調べて貰えるかも知れんだろう、もしかしたら弱点を突けるかもしれん 「そりゃーいいんスけどね? 協力関係ったって会う奴会う奴攻撃しまくってくるじゃないすか」 ——当然、やる気満々の奴だって居るだろうな、というか協力的な連中に会える確率は低いだろう 「先週の"ライダー"はまあよかったけどよぉー、今週は"セイバー"、"アーチャー"って二日連続だぜ? 俺がモタねぇーっスよ」 ——確かに毎晩は子供には少々きついかもな 「おりゃ毎日ガッコーだってあるんスよ? 確かに来週から春休みだけどなぁー」 ——君の場合は補習だろう? ベンキョーしたまえ、ベンキョーを 「あーったく、オッサンはいいよな、英語勉強しなくて良いんだからなー」 彼、東方仗助の補習内容は英語である。 ——私も文法上の間違いはないように勉強位はしたさ、新聞記者だったこともあるしな 「へーへー、わーかったよ、じゃー明日位は見回りは良いっしょ? 今週末はテストだしよぉー」 ——ああ、それは良いが、構えろ、仗助、敵か味方かわからんが、サーヴァント連れが来たぞ 暗さに溶け込むような色彩の着衣をした、赤い大男が、仗助に向けて歩いてくる。 「……ふむ、これはどういう解釈をすれば良いと思うね? ランサー」 ——戦いの後を調べる学生、と言うことは無さそうですが 「まあそうだな、残留魔力も真新しい、落ちている血液も乾いてはいるが……臭いが残っている」 ——勝利はしたが傷だらけで動けなかったサーヴァントという辺りが妥当かと 「そうか、ならばトドメを刺しておくべきか、やるぞ、ランサー」 ——了解した、我が主 「おいおい、姿出しやがったぜオッサン」 ——ま、やる気と言うことだろう……槍を持っているからランサーか 「今日位はいい加減にしてほしーぜ、こんなことに巻き込まれて留年とかしたらオフクロに殺されちまうぜ?」 ——英語を勉強したまえ、時代は違うが、多少は教えてやれるだろう 「ありがとよ、オッサン」 ——いい加減、私の役職 クラス 位は覚えて欲しいね 「わーかったよ、行くぜ、保安官 シュリフ のオッサン」 学生服の仗助の背後から現れたのは、黒いスーツを着込んだ、ダービーハットを被るステッキの男だった。 「ったく、相変わらずジーン・バリー並の渋い恰好だぜ」 「学生程度の年齢ながらマスターとは珍しい、確認するが君はこの戦いに身を投じたマスターって事でいいね?」 赤い着衣の男が言った。 「違うって言ったら見逃してくれるって様子じゃなさそうだが? そこの所は、どうかね?」 「私は君に聞いてはいない、できれば直接君が答えて欲しいな、学生君?」 「正直に言や投じたかーなかったね」 頭を掻く。 「でもよー、街を守りてーって気持ちはあるぜ、こんな風に誰だかしらねー連中に街を荒らされたかーねーってな」 「フム、いわゆる正義の味方って奴かね、だが現実では往々にして無惨に死ぬのが正義の味方だ」 「ま、そーだったとしてもよ、例外もあるってゆーやつよ」 睨み合う。 「では、それを見せて貰おうか」 男が指を鳴らす。 同時にランサーが二人に向け跳躍する。 東:「ドラァッ!」クレイジー・Dでランサーと戦う 方:ランサーはシュリフに任せて敵マスターに殴りかかる 仗:二人がかりでランサーを攻撃する 助:拾っておいた剣を敵マスターに投げつける
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衛宮切嗣&アーチャー ◆F3/75Tw8mw 僕はね……正義の味方になりたかったんだ ◇◆◇◆◇ 「……一体、何が起きている……?」 人気の無い、他者からの監視も恐らくは無いであろう薄暗い建物の中。 壁に背を預け、その男―――衛宮切嗣は、口からタバコの煙を燻らせつつそう呟いた。 事の発端は、時間にして十数分程前。 妻のアイリスフィールと共に、アハト翁が用意したという聖遺物を確認していた最中であった。 全ては来る第四次聖杯戦争に勝ち残る為……アインツベルンは持てる権力・財力の全てを賭し、その聖遺物を探し出したという。 そうして見つけ出されたのが、かのノアの方舟に使われたとされる欠片―――即ちゴフェルの木片だ。 もしこの木片が本物だというならば、宿る神秘性は計り知れないものがある。 呼び出される英霊もまた、極めて強き力を持ったサーヴァントとなるだろう。 そう、アハト翁をはじめとするアインツベルンの者達は喜んでいた。 まるで自身の勝利が絶対のものだと確信したかの如くだ。 しかし、その気持ちも無理はない……事実、切嗣もこの聖遺物を用いれば強力な駒を手に入れられるという予感があったからだ。 彼はこの聖杯戦争を勝ち残るに当たり、己に最も見合うサーヴァントはキャスターかアサシンであると考えていた。 そして……この聖遺物で呼び出されるであろうサーヴァントは、十中八九キャスターだ。 他のマスターが纏わる聖遺物を入手でもしていない限り、呼び出される英霊はほぼ確実に方舟を作った本人―――ノアに固定される。 ノアについては様々な伝承が現代に至るまで残されているが、その伝承から基づくに当てはまるクラスはキャスターしか存在しないのだ。 然程アインツベルンの者達に期待をしていなかった切嗣からしてみれば、これは嬉しい誤算であった。 確実な勝利を目指すアインツベルンならば、三騎士……中でも最優とされるセイバーの触媒を用意するだろうと踏んでいたからだ。 ―――戦場は地獄であり、そこで行われる命のやり取りには高潔さも何も無い。 数多くの修羅場を、文字通りの地獄を潜り抜けて来た切嗣にとって、英雄というものは許容し難い存在そのものであった。 平和の為と称して人を殺し、血を流す。 そんな者達の何処に美化される要素があるというのか、讃えられる謂れがあるというのか。 ましてやそれを『騎士道』として振りかざし、『誇り』として平然と言い放つ者達など、切嗣からすれば度し難い者達であった。 だからこそ、騎士道などとは無縁の存在たるキャスターを引く事がほぼ確定したのは朗報と言えたのだ。 無論、ノアにもその騎士道に通じる様な伝承もあるにはあるが、泥酔して裸を晒した際に、その裸体を偶然見かけてしまったハムの息子に呪いをかけるといった悪の側面もまたある。 何より……キャスターは最大限に活用すれば、自身の戦法を最大に活かせる。 聖杯戦争の勝率を大きく高められるという事実が、何よりも大きかった。 そう……アインツベルンの肩を持つつもりなどは一切無いが、切嗣は勝たねばならなかったのだから。 人の身では一生叶えられる事の無い、奇跡に頼らなければ叶えられない願いを、叶えるために。 『正義の味方』として流し続けてきた血を、奪ってきた多くの命を無駄にしない為には…… 世界の恒久的な平和という願いを叶えるには、聖杯を手にする以外に手は無いのだ。 そんな強い願いを胸に、彼は託された木片を手に取った。 それが……本来の聖杯戦争とは大きくかけ離れた流れの中に彼の身を置くとも、知らずに。 ◇◆◇◆◇ (……本来の聖杯戦争とは違う。 何か、アインツベルンですらも予想しえなかった事態が起きているという事か……) 木片を手にした結果、切嗣はこの異質な場―――聖杯戦争の会場へと呼び出される羽目になった。 本来開かれる筈であった聖杯戦争とは、何もかもが違いすぎる。 予期しえなかった―――恐らくはアインツベルンですらも分からなかったであろう―――完全なイレギュラーだ。 (しかし……どのような形にせよこれが聖杯戦争である事自体には間違いない。 そして勝ち上がった者には、奇跡を叶える聖杯が与えられる……この大前提に変化は無いだろう) だがこの事態を前にして、当初は困惑を覚えこそしたものの、あくまで冷静に切嗣は頭を働かせていた。 まず何より疑う余地が無いのは、これが聖杯戦争だという事実だ。 そして勝ち上がれば、目的の聖杯を手に入れられる。 (なら……問題は無い) ならば最初から、選ぶ道は決まっている。 この聖杯戦争に、当初の予定通り勝ち残るまでだ。 (無論、このイレギュラーが何なのか考える事を放棄するつもりはない。 その結果によっては、立ち回り方を変える必要性も出てくるだろうが……基本的な点に変更は無しだ) 勿論、この聖杯戦争の異質さを放置できるほど切嗣も楽観的ではない。 勝ちあがり聖杯を手にするというスタンスを変えるつもりは一切無いが、この異変の正体だけは突き止める必要がある。 その結果によっては、勝つ為に取るべき行動を変える必要性もあるだろうからだ。 (……予定していた舞弥によるサポートも無ければ、下調べして集めた情報も意味を成さない。 使える装備もそこまでなく、状況は決して良いとはいえないが……) それでも、成さねばならないのだ。 『正義の味方』として世界に平和を齎す為には、この戦いには絶対勝たねばならないのだ。 『……アーチャー、引き続きそのまま監視を続けろ』 その為には、効率よくサーヴァントを扱う必要がある。 切嗣は念話を使い、簡潔に指示を出した。 もう一機のそれを持つ、己がサーヴァント―――目覚めた時には傍らに居た、あの英霊に。 褐色の肌に赤い外套を身に纏う、アーチャーと自らを名乗った男に。 ◇◆◇◆◇ うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。 ああ―――安心した。 ◇◆◇◆◇ 「……爺さん……」 切嗣が身を隠す建物の屋上。 その一番高い地点で、見張りの指示を受けていたアーチャー―――エミヤシロウは、人知れずそう言葉を漏らした。 彼にとって、この様な召還はあまりにも予想外すぎた。 まず、自身の記憶にある聖杯戦争の知識とは……何より自身が経験してきた聖杯戦争とは、まるで状況が違う。 もっともそれについては、基本的な情報をかつての召還同様に聖杯から与えられているのだからまだいい。 しかし、最大の問題は……自身のマスターが、養父である衛宮切嗣その人であった事だ。 磨耗した記憶の中にあっても、決して忘れる事は無かった。 彼は、自身が正義の味方を目指す切欠になった憧れともいえる大切な存在であり……呪われた運命を進む元凶ともいえる存在だった。 そんな彼が、まさか自分を召還し……そして聖杯戦争に勝ちあがろうとしていようとは。 『正義の味方』と呼ぶに相応しい願いを胸に、聖杯を望んでいようとは……こんな事をどうして予想できようか。 (……爺さん、俺は……正義の味方にはなれなかったよ) アーチャーは、エミヤシロウは生前、正義の味方を目指した。 より多くの命を救う為に修練を続け、その死後にも守護者となるべく世界と契約を結んだ。 英霊としての力があれば、多数を救う為に少数を斬り捨てるやり方を選ばず、誰もが幸福な世界を実現できると信じていたからだ。 しかし、その結果に待ち受けていたのは、どうしようもない絶望であった。 守護者とは、彼が望んだ様な正義の味方ではなく、ただ人類の滅亡を回避する為だけに、起因する全ての者達を殺しつくすための存在だった。 信じ続けた理想を裏切られ、拒絶する事も許されない。 そんな役割を演じ続けた末に、彼の心はその信念ごと磨耗し、やがてかつての己自身を憎み、己自身の消滅を願うようになっていった。 そして……そんな虐殺を続けている最中、遂にアーチャーはその機会を得るチャンスを手にしたのだ。 即ち、聖杯戦争への参加である。 (……どうすればいいんだ) しかし、召還を受けたアーチャーの心に去来したのは、喜びではなく戸惑いと驚愕であった。 何せ目の前にいたのは、己が正義の味方を目指す発端となった養父なのだ。 その顔を目にして、思わず言葉を失った程だ。 しかも話を聞くに、彼は自身が知る衛宮切嗣とは違う。 第四次聖杯戦争に参加する筈だったという、全盛期の衛宮切嗣なのだ。 つまり……ここで彼を殺害できたならば、時間の流れは変わるかもしれない。 衛宮士郎が誕生する発端がいなくなる事で、自身もまた消滅するかもしれない。 だが……アーチャーには、それが出来なかった。 守護者となった時点で、元の人物とは別物の高位の存在として己は英霊の座に記録されてしまっている。 ならばここで切嗣を殺したところで、自身が消滅できる可能性が限りなく低いだろう。 ましてや、彼はアーチャーにとっては既に死亡した筈の人物だ。 それが生きていると言う事は、この場にいる彼は自身が知る衛宮切嗣とはまた別の存在―――平行世界の彼なのかもしれない。 だとすると、殺害しても何も変わらないのかもしれない。 そして、なによりも……自身を育て上げてくれた養父への思いもまた少なからずある。 (……聖杯を手に入れる……だが、本当に聖杯に願いを託してよいものなのか……) ならば、残された道は一つ……聖杯を手にするしかない。 聖杯を手にし、自身の完全な消滅を願う事だけしかないのだが……アーチャーは、かつての聖杯が如何なる物であったのかを知っている。 万能の願望器は、歪んだ形でしか人の願いを叶えられない邪悪な代物だった……だからこそ、『彼女』に破壊を願ったのだ。 もし、この戦いで得られる聖杯もまた同じ性質を持っていようものならば、願いを叶えることはかなわないだろう。 しかし……この聖杯戦争は、かつてとは大きく違う。 ナニモノにも染められていない、純粋な願望器たる聖杯を手に出来る可能性もまたあるのだ。 ならば、ここはどう立ち振る舞うべきか。 (……見極めるしかあるまい。 この聖杯戦争を戦い、その最中で聖杯がいかなる存在なのか……私自身の目で) アーチャーが出した結論は、この聖杯戦争を戦う中で、聖杯の正体を見極めるというものだった。 戦いを進めていけば、聖杯へは自然と近づく事になる。 その中で、聖杯が正しいものなのか否かを確かめ、その上でどうするかを決めなければならない。 今の時点では判断できる材料も殆ど無い……それが恐らくは最良だろう。 (もし、この聖杯にも穢れがあったならば……その時は……) 今度は、己自身の手で聖杯を破壊せねばならない。 その様な聖杯は、誰の手にも渡すべきものではない。 まして……かつての自身と同じ理想を抱く衛宮切嗣にだけは、尚の事だ。 彼を、己のようにする訳にはいかない。 正義の味方に絶望し、憎悪し、自らの破滅をも望む様な思いを……大切な父にだけは、させたくない。 (例えそれが、マスターの意に反するものだったとしても……) 磨耗した記憶の中においても……衛宮切嗣という男は、エミヤシロウにとって特別な存在なのだから。 ◇◆◇◆◇ (アーチャー……奴は一体、何を考えている) 愛銃の手入れをしつつ、切嗣はアーチャーについて考えを巡らせていた。 彼は己が目覚めた時、自身のサーヴァントとして宛がわれたというのだが……その存在には、大きく疑問があった。 何せ、その正体があまりにも不明瞭すぎる事だ。 切嗣は彼がサーヴァントであると認識すると同時に、何はともあれその真名・宝具を問いただした。 戦う上に当たって、まずは基本的な戦力の把握を行うべきと判断したが為のものであったのだが…… この問いに対する答えが、切嗣に大きな疑問を抱かせた。 (『強引な召還の為に記憶が一部欠如しており、真名を思い出せない』……か) アーチャーは、自身の真名を忘却していると口にしたのだ。 その原因は、本人曰く召還の不備不手際という事らしいのだが……切嗣はこれを鵜呑みにはしなかった。 出会って間もない相手の言葉を信用するなど、そんな危険且つ無防備な真似など出来るわけもない。 そしてもう一点……真名のみならず、その宝具に関しても大きな疑問が彼にはあった。 曰く、アーチャーは自身を象徴するような宝具は持ち合わせてはいない。 その代わりとして、投影魔術を駆使して戦闘を行うというのだ……これは、英霊としても極めて異端だ。 もし、真名を思い出せないのではなく隠しているのならば、恐らくは……いや、ほぼ確実にこの点に繋がってくるだろう。 (例え味方であろうとも、情報を安易に他者に与えないという点では評価できるが…… 不安要素を抱えている駒を扱い戦い抜くというのは、戦略上相当に厄介だ。 やはり、早急に事実を確かめるべきか……) 己が手に宿る三画の令呪を見つめ、切嗣は思案した。 アーチャーが隠している真実を引き出すのは簡単だ……この令呪を使えば良い。 隠し事を洗いざらい全て話せとでも命令すれば、それで問題には片がつくが…… (いや……まだ早い。 少なくとも今はまだ、奴は僕をマスターとして認め共に戦う姿勢を見せている。 それに、僕自身もこの聖杯戦争の異質さは感じている……本当に記憶を失っている可能性もゼロではない。 なら、戦略上有効な切り札である令呪を捨てるのはあまり得策でもない) しかし、切嗣は令呪を使いはしなかった。 もし本当にアーチャーの記憶に欠落があるならば、ここで令呪を使うのは無駄にしかならない。 戦略上、令呪は貴重な切り札となりえる武器だ……出来る限り、使用するタイミングは計りたい。 アーチャーの存在が己にとって害になると判断できた時こそが、この令呪を使う時となるだろう。 (逆に言えば、アーチャーが僕にとって害にならない限り、奴の異質さは大きな武器にもなる。 投影魔術を扱い戦うという能力は、幅広い戦術を望める……そういう意味では、僕にとっては相性がいいサーヴァントだ) そして、アーチャーの異端さは敵に向ければそのまま武器に出来る。 弓兵のクラスにありながらも近接戦闘もこなせ、ランクが本来のモノに比べれば落ちるとはいえ、投影魔術を扱い様々な武具を生み出せる能力。 扱い方次第では極めて応用が利く戦い方が出来、その真名を看破される事もまずありえない。 駒としてみるならば、このアーチャーは切嗣にとって中々に悪くないサーヴァントだったのだ。 (……それに、奴にも叶えたい願いがある。 こちらを裏切る可能性も勿論考慮に入れるが、序盤のうちから本性を現す可能性は低いだろう) 何より、アーチャーには己と同じく聖杯へ託す願望がある。 それを考慮すれば、例え裏切るにしてもそれは戦いが山場を迎えてからだ。 この序盤では、互いに敵の数が減るまで利用しあうのが得策であるというのは、分かっているだろう。 それに……彼の願いは、恐らくかなり切実なものだ。 (『存在を消したいものがいる』……か) アーチャーが自身に話した願い。 それは、聖杯に願いこの世から存在そのものを抹消したい者がいるというものだった。 死後も他者を呪い恨み続ける英霊というのは、数ある伝承の中では然程珍しいものじゃないが…… 私怨による願いというのは、なまじ綺麗事を言われるよりも信用できる。 故に切嗣は、彼のその願いは恐らく真実であるだろうと判断していたのだ。 まさかその消滅を願う存在が……自分自身の遺言で生み出されてしまった、後の正義の味方だとも知らずに。 (……僕はこの聖杯戦争を、人類最後の流血にする。 必ず……聖杯を手に入れてみせる) 衛宮切嗣と、アーチャー/エミヤシロウ。 本来ならば出会う筈がなかった、同じ理想を追い求めた二人の男達。 彼らのこの出会いは、果たして互いの心に何を齎すのか…… 【クラス】 アーチャー 【真名】 エミヤシロウ@Fate/Stay Night 【属性】 中立・中庸 【ステータス】 筋力:D 耐久:C 敏捷:C 魔力:C 幸運:E- 宝具:?? 【クラススキル】 ◎対魔力:D 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 ◎単独行動:B マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。 現界可能な時間は二日程度。 【保有スキル】 ◎心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 ◎千里眼:C 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。 ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。 ◎魔術 C 基礎的な魔術を一通り習得している。 特にアーチャーは道具の本質を一時的に増幅する「強化」、物質の構造を把握し、一時的に複製する「投影」と得意とする。 【宝具】 『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』 ランク:E~A++ 種別:??? レンジ:??? 最大補足:??? 錬鉄の固有結界。 本来は魔術であり宝具ではないが、アーチャーの象徴ということで宝具扱いになっている。 心象風景は、燃えさかる炎と、無数の剣が大地に突き立つ一面の荒野が広がり、空には回転する巨大な歯車が存在する。 結界内には、あらゆる「剣を形成する要素」が満たされており、目視した刀剣を結界内に登録し複製、荒野に突き立つ無数の剣の一振りとして貯蔵する。 ただし、複製品の能力は本来のものよりランクが一つ落ちる。 刀剣に宿る「使い手の経験・記憶」ごと解析・複製しているため、初見の武器を複製してもオリジナルの英霊ほどではないがある程度扱いこなせる。 神造兵装の複製は不可能。 守護者として世界と契約しているため、固有結界にかかる負荷は非常に少ない。 【weapon】 投影魔術を用いて投影した武器を扱い戦う。 『干将・莫耶』 アーチャーがメインの武器として扱うことが多い陰陽二振りの短剣。 互いに引き寄せ合う性質を持っており、二つ揃いで装備すると、対魔力、対物理が上昇する。 宝具としてのランクは高くないが、投影の負担が軽いことと、先の特質から愛用している。 【人物背景】 とある未来の世界で、死すべき百人を救うために世界と契約した衛宮士郎その人である。 全てを救うという理想を追い求め続け、限界にぶつかった彼は、「英霊になれば、きっと全てを救えるはず」と世界と契約を交わし、その百人を救った。 だが、理想を追い続けたその生涯は最後まで報われることなく、自分が助けた相手からの裏切りによって命を落とす。 それでもなお、誰一人恨むことはなかったが、その後に待ち受けていたのは自身が信じる正義の味方などではなく、「霊長の守護者」という残酷な現実であった。 死後、彼に与えられた役割は霊長の守護者として、ただただ人類滅亡を防ぐために、拒絶不可能な虐殺に身を投じることだった。 さらにその過程で人の暗黒面をまざまざと見せ付けられ、その結果信念は磨耗し、かつての理想に絶望することとなり、己自身の消滅を願うようになる。 【サーヴァントとしての願い】 憎むべきかつての己自身を殺すことで、自身の消滅を願っている。 【基本戦術、方針、運用法】 基本的にはマスターと共に聖杯戦争を勝ち抜けるつもりで、その戦術については切嗣の指示に従う。 また、その最中で聖杯の正体について見極めようと考えている。 その上で、自身の記憶にある様に聖杯が汚染された代物であった場合は、例えマスターの意に背いてでも破壊する。 また、全てに絶望した自分の様な思いを切嗣にはさせたくないとも考えている。 切嗣には自身の宝具や願いなどは伝えているが、真名については「召喚のショックで記憶に欠落がある」と誤魔化し伝えていない。 【マスター】 衛宮切嗣@Fate/Zero 【参加方法】 アハト翁が手配した聖遺物がゴフェルの木片であり、それを手にしたが為に聖杯戦争に参加した。 【マスターとしての願い】 世界の恒久的な平和。 【weapon】 『キャリコM950』 切嗣が主に扱うことが多い小型自動小銃。 コンパクトさに加え、50連ヘリカルマガジンを使用することで取り回しの良さと実用性を兼ねた銃。 『トンプソン・コンテンダー』 魔術礼装として独自の改造を施した、中折れ式単発銃。 大口径ライフル弾である30-06スプリングフィールド弾を使用するため、防弾チョッキ等では防げない程の破壊力を秘めている。 ただし単発銃である為に、一回発射する毎にリロードが必要である事が欠点。 また威力に比例して、その反動も当然ながら大きいものになっている。 『起源弾』 切嗣の肋骨の一本に魔術加工を施して作りだした弾丸。 彼の起源たる「切断」と「結合」の二重属性を発現させ、被弾した相手に不可逆の変質をもたらす魔弾。 これが魔術師が発動中の魔術に命中した時、その魔術回路を「切」って「嗣」ぐことで構造を変え、流れている魔力を暴走させて自滅させる。 また上記のコンテンダーを用いて扱われるため、魔術が関係なくとも命中した相手に大ダメージ自体を与えられる威力がある。 全部で66発の弾丸が作られ、その内の37発をこれまで魔術師の殺害に使用している。 【能力・技能】 魔術師としての腕前は並程度だが、一般的な魔術師が忌避している銃火器及び爆発物の扱いに長けている。 戦闘の際には、魔術師の裏を書く戦術や手段を多く用いる。 『固有時制御』 衛宮の家伝である「時間操作」の魔術を戦闘用に応用したもの。 本来儀式が煩雑で大掛かりである魔術であるのだが、「固有結界の体内展開を時間操作に応用し、自分の体内の時間経過速度のみを操作する」ことで、たった二小節の詠唱で発動を可能とし、戦闘時に用いている。 問言は「time alter 〇〇 accel(加速)またはstagnate(停滞)」。〇〇には倍率を示す単語が入る。 なお、固有時制御を解除した後に世界からの「修正力」が働くため、反動によって身体に相当の負担がかかる。 そのため、通常は2倍速程度が限界であり、それ以上を用いると肉体が大幅に損傷を受けてしまう。 【人物背景】 「魔術師殺し」の異名を持つ、魔術師を殺す術に長けた異端の魔術使い。 魔術師としての彼を言葉で表すならば異端であり外道。 戦闘に赴く場合は、幾重にも張り巡らせた策・謀略と罠で「絶対に勝てる状況」を作ってから挑む。 戦いにおいても確実に相手を葬ることを第一とし、そのためなら狙撃、毒殺、公衆の面前での爆殺、人質作戦、だまし討ちなど徹底して手段を問わない。 目的を達することでより多くの命を救えるならば、自分に近しい人間や愛する者ですらも利用し切り捨てる冷酷な行動原理の持ち主。 ただしそれは彼自身の悲しい過去に由来したものであり、むしろ普通の人間よりもずっと繊細な心をもっているが、あくまで自分の意志で非情な思考と行動を貫こうとしている。 「流血こそは悪」「戦場は地獄」という考えを持っており、英雄という存在そのものを忌避している。 これは自身がかつて「正義の味方」に憧れ、絶望したが故の反動とも言えるもので、自身のやり方でも闘争が終わらないことは理解している。 しかし、それまでに流してきた血や失われた命を無価値にしたくないという一心から、止まることができずに深みにはまり続けていた。 それ故に人類という種全体が抱える「闘争」全てを終わらせるための奇跡を求め、アインツベルンの誘いに乗り聖杯戦争に参加することを決める。 BACK NEXT 007 ジョンス・リー@エアマスター、アーチャー 投下順 009 アレクサンド・アンデルセン&ランサー 007 ジョンス・リー@エアマスター、アーチャー 時系列順 009 アレクサンド・アンデルセン&ランサー BACK 登場キャラ NEXT 参戦 衛宮切嗣&アーチャー(エミヤシロウ) 034 既視の剣
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718 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/07/23(月) 04 38 20 「そっか、それじゃ遠坂達を探してくる」 「それじゃ盛りつけとかは私がやっちゃいますね」 「ああ、頼むな」 さて、居そうな場所といえば当然各々の部屋だろう。 「まずは……名城の部屋からだな」 最も手近な襖をノックする。 「名城、居るかー?」 「ッ! い、居る! 居るわ!」 中で物音がする。 「……?」 開けて良いものやら逡巡していると襖が一気に開いた。 「ど、どうしたの?」 なんか顔は赤いし息は切れてるし、服も乱れている。 ちらりと中を覗いてみるが何かがあったと言うわけでは無さそうだ。 「それはこっちの話……ああ、いや、夕飯の時間だから呼びに来たんだが」 何かのタイミングが悪かっただろうか? 「そ、そう……すぐ行くから、先に行ってて」 そう言うと同時に襖が閉められた。 ……何かあったのだろうか? 「まあ……いいか」 言うべきことは言ったし、特に問題はないだろう。 さて……次は洋間に行くか。 和室と洋室を繋ぐ廊下のドアを開け。 「——!」 「……」 信じられない。 なんで目の前の黒豹は半裸なのか。 それも部屋じゃなくて廊下で。 廊下には真新しい服と下着、それに洋服が散乱している。 ……着替えるなら普通は部屋だろう。 小学校の水泳の授業じゃあるまいし、なんでこう、廊下で着替えようとするのだろうか。 「なんでさ」 疑問符のない疑問文が口から漏れた。 「……そこの鍵をかけ忘れた」 「そうか……すまん」 できるだけ冷静に言って、ドアを閉めた。 「……ふう」 和室の方の縁側で一度溜息をつく。 なのは達もそうだが、名城も、蒔寺も妙な行動をしている。 この調子では居間にいた三枝さん達以外の全員が妙な行動をしているのではなかろうか。 「うーむ……謎だ」 ——原因が自分にあることなど、桜との情事が筒抜けであったことなど、考えもしなかった。 「ん?」 視線を道場に向けると、電灯が点っていた。 「……誰か居るのか?」 深く、深く呼吸をする。 腰を落とし、膝を深く曲げ、拳を左右に開き、指を下に向ける。 そのままの体勢を続ける。 站椿。 中国拳法における基本鍛錬の一つ。 初めて僅か数十分であるが、汗が流れ出し、同時に体内で荒れ狂っていた性欲が流れ出そうとしている。 あと一時間もすれば落ち着くことが出来るだろう。 「何やってるんだ? 遠坂、ルヴィアもか」 だがそれは出来なかった。 「し、士郎!?」 「シェ、シェロ! どうしてここに!?」 途端に動揺して姿勢が崩れ、心臓が早鐘を打ち出す。 「いや、飯の時間なんだが……なんかみんな変なことしてるよな」 「ふ、ふーん、そう……」 「あ、あら、そうでしたの? 変ですわねー」 元々崩れていた站椿の型を止める。 ただそれだけの動きでポタポタと床に水分が垂れた。 その全てが汗では無かったのだが、それは誰も気にしなかった。 「えーっと、あとは……氷室か」 順当に考えれば宛がわれた……あの部屋にいるだろう。 でもなあ……コレまでのパターンからして、奇妙な行動を起こしていそうな気がしてならない……俺が行っても良いのやら。 パワーボム:自分で行くことにする ラリアット:遠坂達に頼むことにしよう